奥会津の小さな集落で暮らす店主の話が、食事をおいしくする
僕は各地で食に関するアートプロジェクトをやっているんですが、奥会津の三島町での体験は強烈でした。僕が通っていたのは三島町の一番山奥で、雪深く、人が暮らせる限界値みたいな場所。でも縄文時代は今より人口が多かったという地域で、遺跡が出てきたり、縄文の食文化も残っています。
〈ソコカシコ〉という小さな宿では、食事だけの利用もできて、地元の食材を使った料理や、熊やイノシシ、ウサギが食べられることも。でも何より、オーナーの三澤真也さんの話がとても面白い。美大出身の移住者なんですが、地元の猟師さんと一緒に熊を撃ちに行った話なんかを聞きながらご飯を食べる体験はとても濃密です。
縄文の食を再現するイベントでは、干し貝柱やスルメなどのだしで煮たサトイモとキノコの煮物や、イノシシなどの肉を焼いたもの、ドングリ粉と蕎麦粉のクレープのようなものなどが並びました。本当に豊かな食の体験って何なのか?と考えさせられた場所。また三澤さんの話を聞きながらご飯を食べたいなって思うんです。