生きるための道具と詩歌「がたんごとん」
煩雑な思考や事情をブッ飛ばし「生きろ!」と人間を全肯定し励ます。全身全霊、最高最強のむちゃくちゃな短歌!(吉田慎司)
曲線
たしかに味噌汁は夜のようだ。暗闇と全ての明かりを呑み込む蛤(はまぐり)の白さが美しい。解体し暴かれゆく現実と謎めいた不条理なシーンが強く心を捉える。(菅原匠子)
ペンギン文庫
瑞々しい言葉で季節を重ね、情景を思い描く。淡い陽炎(かげろう)や震災時に降った霙(みぞれ)が蘇る。この歌集を帰る場所の一冊として大切にしている。(山田絹代)
紀伊國屋書店新宿本店
「びしょぬれ」「雀」「全身」と、濁った音の連なりから、パッと音が放たれて「花」になる。音で意味をさらに深く体感させてくれる。(梅﨑実奈)
古書ソオダ水
「こうあるべき」と囚われてしまうその心を軽々と飛び越える存在と言葉がここまできれいに混じり合うこと、残してくれたことに。(樋口塊)
BREWBOOKS
誰しもゆっくりと遠ざかっていく雲を車内から眺めたことがあると思いますが、雲の側に立つ意外性と前向きな印象にはっとさせられます。(尾崎大輔)
そぞろ書房
「しもうた」のなんとも言えないユーモアが好き。「この道しかないんだなあ」という諦念は生きる希望を与えてくれる。(屋良朝哉)
古本詩人ゆよん堂
胸に悲しみがいっぱいな時、「思い切り泣いてもいいよ」と優しく言ってくれるような短歌。何だか心が許され解放される感じがある。(山田正史)
葉ね文庫
ほんとかっこいい。声に出すと気持ちいい。何度読んでもぐわっと高揚する感覚に、ニヤついてしまうのです。(池上規公子)
本の栞
本書収録のほの暗い短歌もお気に入りなのですが、光を感じられるものを。誰かに何か伝えようとして言葉を選ぶことも、祈りに少し似ている。(田邉栞)
書架 青と緑
孤独な自分を受け止め、一人になる。その時初めて、自分にできることをするための力がむくりと立ち上がる気がする。(日下踏子)
ホリデイ書店
昭和末期に活躍した歌人、最晩年の作。死を目前にした清澄かつ静かな境地を感じます。時折読み返したくなる歌人の一人です。(宮本ひろみ)
本屋ルヌガンガ
そっと世界に触れるような、柔らかくどこかけだるい朝の表情に力強い言葉が継ながれていてハッとする。平熱のまま進むのだ、という感じがいい。(中村勇亮)