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朝を楽しむ旅プラン:日本各地のご当地「朝麺」を求めて

麺好き大国・日本には、各地にユニークなご当地麺が存在。麺文化も多様で、中には朝からうどんやラーメンを食べる地域も。名づけて、朝しか食べられない“朝麺”。レアな一杯を求めて、西へ東へ出かけよう!

Photo: Kenya Abe (Shizuoka), Shintaro Miyawaki / Bookcafe solow (Kagawa), Yoshiko Otsuka (Kumamoto) / Text: Ai Sakamoto (Shizuoka, Kagawa), Yoshiko Otsuka (Kumamoto)

〈静岡〉
温かいのと冷たいの。どちらも食べるのが藤枝流です。

藤枝市の南にある地域には、朝ラーメン(朝ラー)文化がある。

茶産地であり、早朝から働く関係者が仕事帰りに食べたのが始まりとか。その元祖が1919年創業の〈マルナカ〉だ。ここで供するのは、温かい中華そばと、冷やしの2種類。

カツオ節や昆布、煮豚用の豚モモ肉などで作る醤油ダレをお湯で割ったスープに、自家製のストレート中太麺が合う。温冷のレシピに大きな差はないが、食べてみると風味や喉越しの違いは明らか。2杯を食べ比べるのがオススメだ。

静岡県のマルナカの中華そば
左が冷やし並¥650、右奥が中華そば並¥550(共に税込み)。冷やしのタレには砂糖が少量加えられている。温冷とも日本そばのようなニュアンスが感じられるのが面白い。

〈香川〉
“できたち”を味わうなら、朝8時までに出かけるべし。

讃岐うどんで知られる香川県でも珍しい、朝営業の製麺所。開店は6時30分。
釜揚げでなければ、お昼過ぎまで食べられるが、ゆで上がってすぐの“できたち”を味わいたければ8時(土・日・祝は9時)までに行く必要がある。

家族総出で午前3時から仕込むうどんは、コシとエッジのある中太麺。伊吹島産のいりこと釧路産の昆布、カツオ節でとっただしとの相性もいい。

一見、うどん屋らしからぬ店構えも特徴。勇気を持って入った先に、口福が待っている。

香川県の上杉食品のかけうどん
かけうどんの中(1玉半)¥350(税込み)。うどんは、かけ、しょうゆ、かまたま、納豆の4種。創業百十余年の老舗で、4代目の女将さんが明るい笑顔で出迎えてくれる。

〈熊本〉
四川の辛味でシャキッと目が覚める、もちもち刀削麺。

朝6時。熊本市の住宅街に漂う、四川料理の刺激的な香り。なんでも「仕込みをするなら、いっそ開けてしまえ!」と、こんな営業時間になったとか。

店主・徐鵬さんは中国・四川省出身。こだわりは刀削麺で、その日の気温や湿度に合わせて調整した生地は、コシが強く、もちもちの食感。

10種類のメニューで味わうことができ、中でも人気は担々麺だ。故郷から取り寄せた唐辛子と山椒は目が覚める辛さ。その中にもタレや肉味噌の甘さがあり、朝から箸が止まらなくなる

熊本県の釜聖麺屋の刀削麺
4年前に創業したばかりの四川料理店。ライス食べ放題なので、朝から麺と白飯を山盛り食べていく強者も。麺は刀削麺のほか、自家製手打ち麺と細麺が選べる。担々麺¥680。