Visit

朝を楽しむ旅プラン:目覚めにぴったりな朝ごはん(マレーシア/日本)

朝とともに始める、まっさらな旅。充実した朝はそれだけで気分がいいものだ。朝を楽しむ旅行プランを紹介。

Photo: Faiz Zeo(Malaysia), Takashi Nishimura(Nippon) / Text: Oto Furukawa(Malaysia), Kyosuke Nitta(Nippon) / Edit: Ai Sakamoto(Malaysia) / Coordination: Ayano Shimofuku(Malaysia)

〈マレーシア〉
名物「カヤトースト」を昔ながらの喫茶店

レトロなタイル調の床。天井を見上げると、年代物の木製のファンが回っている。
1928年創業の老舗で、中国からの移民が初代店主。英国の植民地下にあった当時、西洋料理を得意とした店主が自慢のコーヒーやトースト、故郷の麺などを提供する店を開いたのが始まりだ。

3代目が継いだ現在も、ココナッツミルクで作るスプレッド「カヤジャム」、フレンチトースト似の「ロティバビ」、炒めた麺「ハイラム・ミー」など昔と変わらないレシピで提供する。
通勤前や朝のくつろぎの時間、地元の人がふらりと立ち寄る光景は昔のままだ。

(左上から時計周りに)①コーヒー/②半熟卵/③カヤトースト:甘いカヤジャムとバター付き。どちらもパンに塗り、半熟卵(別注文)に浸して食べるのが現地流。3.20MYR。/④ハイラム・ミー:うどんに似た太めの小麦粉麺を醤油で香ばしく炒めた、あっさり味。小皿のチリソースをお好みで。8MYR。/⑥ロティバビ:豚肉や蟹身などの具を詰め、溶き卵にくぐらせて揚げたパン。ウスターソースをかけて食べる。11MYR。
*通貨/1MYR(マレーシアリンギット)=約¥24.9(2020年3月末現在)

〈マレーシア〉
弾けるスパイスの香り!人気朝食「ロティチャナイ」

19世紀にインドからの移民が持ち込んだカレーは、今ではマレーシアの国民食。街の至るところにスパイス料理を出す店があり、ここもその一つだ。

豊富なメニューの中で、人気の朝食は「ロティチャナイ」。パイ生地のように層になったパンをカレーにつけて食べるもので、店内で生地から手作りする。


さらに国民食「ナシレマッ」、筒状のクレープ「トーサイ」も定番。スパイスの効いたこれらには、練乳入りの甘い紅茶「テタレ」がよく合う。
24時間営業で広い店内。暑さしのぎに訪れる地元の人も多く、まさに現代のオアシスだ。

ナシカンダー・ブリタ アンパンの弾けるスパイス
(左上から時計周りに)①トーサイペーパーロースト:インドのドーサと同じ。豆粉で作る薄焼きクレープで、2種の野菜カレーにココナッツチャツネ付き。3.30MYR。/②ナシレマッ:ココナッツミルクで炊いたご飯に、「サンバル」と呼ぶコク深いチリソースなどを混ぜて食べる。3.30MYR。/③ロティチャナイ:小麦粉で作る薄焼きのパン。ソースは3種のカレー(魚味、鶏味、野菜味)とココナッツチャツネ。1.20MYR。/④テタレ:紅茶/⑤テアイス:アイスティー
*通貨/1MYR(マレーシアリンギット)=約¥24.9(2020年3月末現在)

〈日本〉
四国カルストで山弁当を頬張る

絶景×弁当。その最高峰を目指すなら高知に向かう以外ない。標高約1,400mの稜線に広がる石灰岩の台地「四国カルスト」。その尾根にある宿泊施設〈天狗荘〉では、朝だけの散策用弁当が予約できるのだ。

絵に描いたような笹かごの中には高知の旬が盛りだくさんで、それを岩石に腰かけていただくと、噛み締めるほどに新鮮な旨味が溢れ出る。眼下には、朝日を浴びた大パノラマの山々。頬に当たる心地いい風。
幸せな朝を五感でフルに味わえる。

愛媛県と高知県の県境にある山頂ホテル
愛媛県と高知県の県境が中にある山頂ホテル。高知駅から車で約2時間。ヘアピンカーブ連続の険しい山道を越えた先に絶景と山弁当が待つ。