Eat

Eat

食べる

イタリアンから中華まで。東京のヴィーガン料理店、百花繚乱!〈FARO〉〈居酒屋 真さか〉

ヴィーガンを実践する人も、そうでない人も。境界線を意識することなく、一緒に食卓を囲み楽しく味わえる、そんなヴィーガン料理が東京にもすっかり定着。ハレの日向けからなんでもない日常飯まで選択肢も豊富です。

初出:BRUTUS No.919『東京の正解』(2020年7月1日発売)

Photo: Shin-ichi Yokoyama / Text: Haruka Koishihara

おいしく、楽しく、美しく

ヴィーガン=肉、魚、卵、乳製品などの動物性食材を一切とらない、厳格な菜食主義。そう聞くと「食べられるものが少なくて大変そう!」と思ってしまいがちだ(ちなみに「ベジタリアン」はややルールが緩やかで、魚は食べる/乳製品は食べる、といった人もいる)。

しかし、世界でも類を見ないといわれるほど、多くのジャンルや価格帯の飲食店がひしめく食都・東京!街を見回せば、ヴィーガンフードの選択肢もいつの間にかよりどりみどりに。シチュエーションや気分に合わせて選べる時代なのだ。

ちょっと特別な日に、ドレスアップして訪れたいのは〈FARO〉。イタリア料理の最新を肌で知るシェフとパティシエによる精緻なコースは、食べた印象は軽やかながら高い充足感を得られる。

対照的に、みんな大好きカジュアルフードの世界にもヴィーガンの波が。餃子、唐揚げといったお馴染みの料理に共通する背徳的な魅力である“ジャンクさ”を、動物性食材を一切使うことなくしっかり表現。

ヴィーガンを志向しない人でも満足できる……どころか、肉や魚が使われていないことがわからないかもしれないほどに、ヴィーガン事情は進化している。

「ヴィーガンだから」で選べるのはもちろんのこと、シンプルに「おいしいから」で選んでも!

FARO(銀座)

ヴィーガン+ガストロノミーの最新型を銀座から発信する

イタリアで長く腕をふるったエグゼクティブシェフ・能田耕太郎さんとシェフパティシエ・加藤峰子さんによる、ガストロノミックなイタリアン。ここでは、オープン当初からヴィーガンのコースがオンメニュー。

日本各地の生産者を訪ねて見つけた、優れた食材や器、伝統工芸を通して表現される料理やドルチェは、ヴィーガン、ノン・ヴィーガンの差異なく、食べる者の感性を揺さぶる美しさや驚きがある。

居酒屋 真さか(渋谷)

“ヴィーガンらしからぬ度”ナンバーワン⁉驚くこと必至の中華居酒屋

店の入口には懐かしの食品サンプルが並び、屋号の入った暖簾(のれん)をくぐれば、店内には白いうわっぱりを着た店員さんが。渋谷パルコの地下にありながら、とことん“昭和の町中華テイスト”を貫くのがこちら。

看板メニューは、こんがり焼けた細身の餃子と、カラリと揚げて自慢のタレをたっぷりとかけた唐揚げ。肉味噌もやし、マカロニサラダなどの“酒のアテ”ももちろんすべてヴィーガン仕様。自慢のレモンサワーやビールが進む!