コロッケ片手の下町散歩
休日は1日2万歩程度の散歩と、コロッケ探索を楽しんでいる。私は東京の東側、いわゆる下町のエリアに足を運ぶことが多いのだけれど、途中、何度も橋を渡ってそのたびに違う景色を見られるところが面白いと感じている。
国内外からたくさんの人が訪れる有名観光地や歓楽街。住宅街だったり、寺町だったり。ちょっと気取ったレストランが集まっているかと思えば、庶民的な食堂が賑わっていたり。東京では街が途切れずにつながっているので、少し歩けば風景が変わるのが魅力的だと思う。
そんな下町を歩いていても、「町のお肉屋さん」というものが意外と少ないことに気づかされる。今では揚げ物やお惣菜をやめてしまっていたり、はたまた閉業されていたりと、寂しい発見になることもある。今回は下町を中心に、元気に営業されている精肉店で買えるコロッケをご紹介する。
それにしても、精肉店の揚げ物ってどうしてあんなに魅力的なのだろう。散歩の途中に立ち寄って、店先のショーケースを品定め。受け取った茶色のフライにその場でかじりつく幸せといったら。大人になったせいかちょっと後ろめたいけれど、あらがえない喜び。
もしかするとこの楽しみ方は、昔、江戸時代の人たちが、往来の屋台でお寿司や天ぷらをつまんでいた頃から変わってないのかもしれない。江戸から受け継いだ文化と言えば大袈裟かもしれないが、私はこれからも堂々と軒先で揚げたてのコロッケを楽しみたいと思う。