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台湾の伝統的おやつ「豆花(トウファ)」を神田〈東京豆花工房〉に食べに行く

豆花とは豆乳をにがりで固めたいわば豆乳プリンで、台湾人の生活に欠かせない国民的デザート。その待望の専門店が江戸っ子の街・神田に登場し、話題を呼んでいる。作りたての旨さをレポート!

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Yoko Fujimori

食べれば愛さずにいられない、
台湾発のフルフル豆乳デザート

豆花と書いて、中国語でトウホワ。はかなげに口の中でトロける台湾伝統の豆乳プリンに、夏は冷たく、冬は熱々にした黒糖の甘いスープをかけ、好きな具材をトッピングして食す。素朴で懐かしい味わいに、台湾旅行の際にハマる輩は少なくない。そんな豆花ファンが待ち望んだ専門店が登場したのだ。

店主の田辺与志久さんは台湾人の女性との結婚を機に、日本と台湾の懸け橋になる仕事をしたいと、この店を開業。台北や台南に足を運んでは名店を食べ歩き研究を重ねた。豆花は信頼する豆腐店から届く搾りたての豆乳を使い、毎朝4時に起きて仕込む。自家製のトッピングは緑豆などお馴染みの顔ぶれが8種類ほど。希望を告げると豆花の上にワサワサ盛ってくれるのも、現地の流儀だ。

オープンは2015年12月、いまや日本人に負けず留学生など台湾人のリピーターが多いことでも、味の確かさがわかる。ほのかな甘みの豆花がツルリと喉を通るときの安堵感。国は違えど、国民的おやつって、食べるとやっぱりホッとするのだ。