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変わり続ける東京の注目エリア。〈江口洋品店〉店主・江口大介が案内する、吉祥寺

新店から老舗まで、ブルータスが注目する吉祥寺エリアの“今”を、その街を知り尽くした案内人〈江口洋品店 江口時計店 松濤〉店主・江口大介さんがナビゲート。

photo: Koh Akazawa / text: BRUTUS

繁華街に住宅が混在、都心から20分の地元感

最初に吉祥寺にお店を構えたきっかけは、飲み屋が多かったから。当時23歳だったので、仕事終わりは毎日のように飲み歩いていましたね。それから20年、大手のお店が増えてきて街全体が大衆化はしましたが、吉祥寺愛の強い店主や、地元のお客さんが多いんですよ。

〈まるけん食堂〉や〈アンジール〉のような、家族で営んでいるお店もあったりして、誰もが自分の地元を重ねられる場所なのかもしれません。お店で会った人と仲良くなることも多いです。

コンパクトな街の中に、まだまだ古いところが残っていて、若い人にとっては逆にそれが新しかったりする。昔は本当に普通の商店街だったので、今いろんな人が来てくれる場所になっているのはすごく良いですね。

エイドリアン・ホーガン イラスト

1.anjir

メニューはおまかせコースのみの小さなビストロ。ワインに合う肉料理がメイン。カジュアル使いから記念日などの特別な日にも。シェフと話しながら気分に合わせて注文ができるのも嬉しい。

2.まるけん食堂

1960年創業の定食屋。先代から受け継いだ店を、現在は姉弟で営む。60年以上ほぼ変わらずのリーズナブルな値段は地元の学生にも大人気で、就職の際には挨拶に来るとか。日替わり定食は、メインを肉と魚で交互に提供。

3.BAR FORT

ジャズが流れるウイスキーメインのバー。「ポルチーニと紅茶のスイートカクテル」(1,760円)など、珍しいオリジナルカクテルも楽しめる。4種の酒を使用した手作り生チョコレート(990円)も好評。

4.天音

ハモニカ横丁で行列を作るたい焼き屋。北海道産の小豆を使った名物の羽根付きたい焼きは皮とあんこの両方に黒糖が入っており優しい甘さ。数量限定でカスタードや抹茶があることも。コシが自慢の団子も販売。

5.Caravan's Base

通称“きゃらべ”。世界各国のボードゲームができるカフェ。ルール説明をしてくれるので初心者でも安心。ゲームの持ち込みも可。

6.harenari

半地下にある創作居酒屋。大学卒業後からさまざまな飲食店で経験を積んだ店主が作る旬の野菜や魚を使った料理と種類豊富な酒、店主の人柄も通いたくなる所以(ゆえん)。

7.TSUMUGU

サンロードの先にある十割蕎麦と“ふるさとごはん”の店。〆のそばまでの、おつまみや日本酒も充実。

8.CINQ

店主が買い付けたヨーロッパのキッチン雑貨や日用品が並ぶ。オリジナルで製作している財布は、長く使えるシンプルで上質なデザインで、贈り物にも。