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今日のギフト:〈茂助だんご〉の「茂助だんご」

あの人の笑顔が見たい。お世話になっている友達や家族、恋人に贈りたい、ちょっと楽しいプレゼントを毎日紹介。

photo: Shu Yamamoto / text&edit: Yoko Fujimori

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餅菓子を愛するあの人へ
魚河岸育ちの粋な名作串団子

〈茂助だんご〉の「茂助だんご」

創業1898年、日本橋に魚河岸があった時代に初代が店を始め、その後築地市場へ、現在は豊洲市場に本店を構える老舗の餅菓子店。〈茂助だんご〉はまさに江戸の魚河岸とともに歴史を育む店だ。
草餅やあんみつなど人気商品は多いが、やはり主役はコロンとした3粒の団子がお行儀よく並ぶ「茂助だんご」。市場に通う東京屈指の目利きたちが贔屓にする店だからこそ、素材も仕事も妥協がない。自慢のあんは、北海道は十勝の契約農家から届く粒よりの小豆と、純度が高く雑味のない甘みが特徴の鬼ザラ糖が味の要。もっちりと弾力がありつつ歯切れのいい団子は、福島県産の特上コシヒカリで作る上新粉から生まれる。

つぶ餡は小豆の皮の歯ざわりとともに豆の風味が芳醇に広がり、こし餡は凪の水面のごとくすーっと清らかに溶けていく。このクリアな餡の甘みこそ〈茂助だんご〉の誇り。「甘いものは苦手だけどこれだけは別」と買い求める辛党も多いとか。

小ぶりな3粒のお団子も負担なく食べ切るのにちょうどいいボリューム感。気取らず、でも隅々まで気の利いた、粋な江戸の手みやげだ。

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