ジェラートとコーヒーカクテルでアペリティーボを!
コーヒーとアイスクリームの蜜月状態が加速している。もちろん以前から“コーヒーが飲めるアイスクリーム店”はあったけれど、あくまでサブメニュー的な立ち位置が多かった。
だがここ数年は、コーヒーショップが手がける自家製アイスクリーム店をはじめ、両者が共にメインを張る店が増えているのだ。
その中でもバーテンダーの目線で両アイテムを追求するのが四ツ谷の〈TIGRATO〉。代表の高宮裕輔さんが「バーテンダーの活躍する場を広げたい」と開いた、昼から利用できるジェラテリア&バーだ。

高宮さんは農園などを訪ねるうち、作り手の情熱をなるべくそのまま提供したいと思うように。
「素材そのものを食べているみたい、と言われるような味と食感が理想。ジェラートは液体を組み立て、マシンに入れて固体にする作業ですが、感覚的にカクテル作りと似ているんです」と高宮さん。
バーテンダーならではの精緻な仕事で作り出す後味の澄んだジェラートを、質の高いドリップコーヒーやコーヒーカクテルと楽しめるのが、この店の強みだ。
「もっと日本にアペリティーボ(夕食前にお酒を楽しむイタリアの習慣)を根づかせたい」という店主・高宮さんの思いが息づく。ジェラートやコーヒーはもちろんアルコールも昼から楽しめ、15種類もの自家製ジェラートは、神奈川・秦野(はだの)市産の蕎麦の実やペルーの稀少品種・アマゾンカカオなど、作り手の姿勢に共鳴する素材を使用。砂糖はテンサイ糖をメインに、水飴など3種の甘味を使い分ける。
コーヒーは名古屋の名店〈ボンタイン珈琲〉の豆を、味にブレの出ない浸漬式(しんせきしき)ドリッパーで抽出。カクテルは当然のこと、バーテンダーの店主ならではの探究心と技術から、ジェラートもコーヒーも見事な完成度。午後からカクテルと共に嗜(たしな)めば、最高のアペリティーボ体験になる。
