自分の出発点にある宝物のような作品だから
もう一度観たくても観られないのがトリュフォー作品。中学生の頃、フランス映画特有のダークさに恋焦がれて夢中になりました。中でも別格なのは『恋のエチュード』か『黒衣の花嫁』かな。
DVD、パンフレット、ポスターなどをコレクションするほど今でも大好きなんですが、何度観ようとしても思い入れが強すぎるのか途中で断念してしまうんです。以前、好きな監督を問われてトリュフォーだと答えたら驚かれたことがありましたが、確かに映画美術の面で影響を受けたわけではありません。
でも自分の出発点であり、常に心のどこかで憧れているのがトリュフォーなんです。映画の見方が専門的になってしまった今となっては、一人の監督を追いかけることはもうないでしょう。心の奥底の秘密の箱に隠しておきたい特別な存在です。