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台湾の食通7人が案内する台北グルメガイド 〜ナイトタイム編〜

グルメの町・台北。久しぶりに訪れたからには、朝・昼・晩はもちろん、ティータイム、散策のお供のおやつ、一日の〆まで、一度もハズすことなくおいしいものが食べたい。今回はそんな観光客のために、台湾が誇る美食家7人が「日本から台北に来た友人を連れていくなら」をテーマに飲食店を厳選。めくるめく台北食い倒れツアー、スタートです!

photo: Koh Akazawa, Keiko Nakajima, Teikoukei, Kazuharu Igarashi, MEGUMI / text: Yuriko Kobayashi, Kei Sasaki, Koji Okano, Ikuko Hyodo, Ai Sakamoto / coordination: Chen Tsuiwen(MPX), Machiko Suzuki, Mari Katakura, Kuo, Taiyen

宵夜
遊び疲れた夜にほっと一息つける食堂、
こだわりのカクテルが自慢のバー、夕食後のお楽しみデザート。
一日の〆に使いたい、深夜営業の店。

小品雅廚の台湾料理

教えてくれた人:江振誠(シェフ、フードコンサルタント)

食べたいおかずを、好きなだけ。一人でも気軽に入れる深夜食堂

常時30種類ほどカウンターに並ぶ台湾料理のおかずを好きなだけ選び、最後にお粥かご飯をセレクトして会計する、学食みたいなスタイルが面白い店。一品一品が小皿なので、一人でも3種類くらいは余裕。「一人でサッと食べられる気軽さがいいし、何よりおかずの種類が豊富なのが嬉しい。どれも素朴な料理だけど、丁寧に作られているのがわかる味です」。飲み物はメニューにないが、持ち込みOK。ただ回転の速い人気店なので長居は遠慮しよう。

傷心酒店 HEARTBREAK CLUBのカクテル

教えてくれた人:林蓉(飲食コンサルタント)

訪れた客の心を軽やかに解き放つのは、失恋ソングから着想を得たカクテル

「入店すると、“失恋庇護所(失恋を慰めてくれる場所)”と手書きされたライトボックスがあります」。日本の昭和の純喫茶をイメージしつつ、モダンも取り入れた店内には、台湾のラブソングが流れる。「メニューにはバラードの名前を冠したオリジナルカクテルが並びます。水餃子や排骨(パイグー)など、台湾のおつまみもおいしいですよ」。おおいに飲んで語らうローカルの若者たちを眺めながら、グラスを傾けるのも楽しい。

御品元冰火湯圓 台北總店の湯圓

教えてくれた人:葉怡蘭(エッセイスト)

かき氷にのったあったか団子、冷めないうちに一気に食べよう

「湯圓(タンユェン)(団子)はもともと、冬至や元宵節(小正月)に食べるものですが、普段は晩ご飯のデザートや夜食などでいただきます。この店の湯圓はとても丁寧に作られていて、ゴマ餡とピーナッツ餡の香りが濃厚です」。寝かせたもち米を使うことで、弾力のある湯圓になるそうで、ピーナッツ餡は粒々の食感を適度に残している。「温かいスープに入れる昔ながらのスタイルだけでなく、かき氷にのせる食べ方を生み出して人気店に。特色のあるスイーツです」

HiBoRuのオリジナルハイボール

教えてくれた人:陳小曼(フードデザイナー)

日本の昭和と台湾のレトロが融合⁉唯一無二のオリジナルハイボールを

店名の「HiBoRu」の読み方は「ハイボール」。日本のハイボール人気に触発された元バーテンダーのオーナーが開いたお店で、カクテルのような繊細で独創的なフレーバーのオリジナルハイボールを楽しめる。「昭和レトロな内装がクール!料理は豚の角煮を甘辛く煮込んだ控肉丼など昔ながらの台湾の味が多くて、日本と台湾の懐かしさが共存しているのが素敵です」。店内BGMは昭和や平成の懐メロ。古き良き日本と台湾を感じられる情緒ある居酒屋だ。

阿財虱目魚肚の魯肉飯

教えてくれた人:徐天麟(美食家)

一からまた食べ直したくなる、台湾らしさ溢れる、深夜食堂

深夜に手の込んだ料理が食べられる、貴重な食堂。店名に冠する虱目魚(シームーユー)(サバヒー)とは、台湾ではお粥やスープなどに使われる馴染みの魚。「ここは毎朝4時に店を閉めた後、市場に仕入れに行くんです」。サバヒー料理のほかにも海鮮、野菜、肉料理など一通り揃っているが、徐さんの激推しは魯肉飯(ルーローファン)。「塊肉で漬け込んでからカットする伝統的な調理方法なので、おいしさが全然違う。朝早い飛行機で日本に行くときは、この魯肉飯を買って機内で食べます」

INDULGE Bistroのカクテル

教えてくれた人:徐仲(食文化研究者)

カクテル自慢のダイニングバーで台湾伝統の味を再構築した一皿を

「カクテル好きな人にぜひ訪れてほしい」と徐さんがオススメするのは、「アジアのベストバー50」で2年連続2位に選ばれたことのあるこちら。「台湾伝統の味を分解・再構築したカクテルや料理が味わえます」。例えば、臭豆腐をイメージした一皿ではゴルゴンゾーラ入りのマッシュポテトを湯葉で包んでカリッとフライ。腐乳ソースや香菜オイルでアクセントを加える。シメの一杯はもちろん、しっかりディナーにも対応する使い勝手のよさも魅力だ。

Bar Weekendのカクテル

教えてくれた人:千千(大食いYouTuber)

台湾〈Bar Weekend〉Oriental Beauty Tea、ロングアイランド・アイスティー、Ramos Gin Fizz Kyoho Grapes
左/巨峰の芳醇な甘味が漂うRamos Gin Fizz Kyoho Grapes 500元。中/梨山烏龍茶などでロングアイランド・アイスティーをアレンジ。Tea-Circus 500元。右/東方美人茶が香るOriental Beauty Tea Daiquiri 400元。

台湾茶を使ったカクテルが得意ながら、提供に40分を要するジンフィズも人気

ブティックホテル〈シェ ヌー ホテル台北〉地下にあるバー。フロアには桜の大枝が飾られ、「別世界に来た感覚に陥ります」と千千さん。ウェルカムドリンクと一緒に出されるヒマワリの種をアテに、お茶のカクテルを飲むことが多いそう。一方で、一番の人気を誇るのが、提供に40分かかるRamos Gin Fizz。シェイク後にじっくり冷やすことで生まれる、生クリームのリッチな食感と、レモン&ライムのキリリとした酸味にハマる人続出だとか。