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根本宗子のあまい東京記:贅沢な一口に、甘いものへの思いも再燃

根本宗子が思い出のスイーツを綴る連載。前回の「番外編! 旅先で出会った透き通る一口」を読む。

illustration: Michiko Furutani / edit: Emi Fukushima

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〈メゾン ド エル〉の「季節のフルーツサンド」

〈メゾン ド エル〉の「季節のフルーツサンド」
日本橋髙島屋S.C.新館に位置する紅茶専門店で人気のフルーツサンド。旬に応じた新鮮なフルーツと軽やかな生クリームが贅沢に使われた上品な味わい。要予約。900円~(TEL:03-6262-6682)。

紅茶が豊富な飲食店に遭遇するとワクワクする。そんな紅茶好きの私がコロナ禍一番の癒やしをいただいたのがこのお店。紅茶専門の喫茶店なのだが、何といっても外せないのがここのフルーツサンド。

予約制と記載のあるページに書いてある番号に恐る恐る電話をかけて、フルーツサンドと席を予約して、初めて会うイラストレーターの女の子とこのお店で待ち合わせをした。「ここに行ってみたくて」という女の子らしい誘い方をしたくなるお相手だったので、普段はしないそんな誘い方をしてみた。

打ち合わせとして会う予定だったのだが、2人で店内に入るや否やその居心地のよさに仕事モードを忘れゆったり。さらにどれもこれもおいしそうなドリンクを選び、お待ちかね、フルーツサンドが登場。こんなにも初対面の人と甘いものの感想を言い合ったことがないほどにしゃべり倒した。なんだろう、幸せそのものの味と手触りだった。

温もりが何か忘れかけていたコロナ禍に私の甘いものへの炎を再び灯してくれた一品。あの日のパンのふわふわも、品の良い生クリームも、溢れぬよう頰張ったフルーツも一生忘れない。すべてが優しい一日になった。

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