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〈BAR RENÉE〉店主に聞く、店の個性際立つ夏のレコード5枚とその理由

一面のレコード棚から次にかける一枚を嗅ぎ分けて選び出す。その選曲からは店の哲学や店主の人生までもが浮かび上がってくる。〈BAR RENÉE〉店主・八木悠介さんが選ぶブルータスのための夏のプレイリスト。

text: Kanta Hisajima

BAR RENÉE(大阪/福島)

店主:八木悠介

Q1

2021年7月1日最初にかけたい一枚は?

A1

『Solitude On Guitar』Baden Powell

まだほのかに明るい夏の夕刻、開けたてのお店に響き渡る一本一本の弦の振動が感無量。一日に向かう気持ちがポジティブになる。ブラジルが生んだボサノヴァ、サンバギターの巨匠、1973年の作。

『Solitude On Guitar』Baden Powell
『Solitude On Guitar』Baden Powell

Q2

店に絶対になければならないお店を象徴する一枚は?

A2

『Ella and Louis』Ella Fitzgerald、Louis Armstrong

いつどんな時にも空間に馴染む音。シンプルに、表現の芯を捉えたジャズスタンダードの名盤。うちの店も、そんなぶれない何かを持ち続け表現していきたいと思わせてくれる作品。

『Ella and Louis』Ella Fitzgerald、Louis Armstrong
『Ella and Louis』Ella Fitzgerald、Louis Armstrong

Q3

音楽に夢中になるきっかけとなった一枚は?

A3

『Child's View』竹村延和

1994年、日本のトップ・アシッドジャズDJが発表したソロアルバム。後のスムーズジャズのタイム感を先取りしたかのような音の先進性に衝撃を受けた。今、聴き返しても25年以上前の音とは思えない新鮮さ。

『Child's View』竹村延和
『Child's View』竹村延和

Q4

最近手に入れた一枚は?

A4

『Shine』Joni Mitchell

2007年発表。彼女の最も新しいスタジオアルバム。長らくCDのみだったが、昨年やっとレコードが発売された。音楽家としてだけでなく、表現者としての生き方が音に映り、彼女の果てしない表現力に包まれる一枚。

『Shine』Joni Mitchell
『Shine』Joni Mitchell

Q5

夏に飲みたいドリンクと一緒に聴きたい一枚は?

A5

『The Köln Concert』Keith Jarrett

ソロピアノながらも押しつけがましくなく、特定のお酒というよりはお客様の思い思いの気分に合ったお酒、および音の解釈にフィットするように思えます。かけるたびに新しい感覚を覚える一枚です。

『The Köln Concert』Keith Jarrett
『The Köln Concert』Keith Jarrett