Wear

Wear

着る

リメイク古着に、街の案内役が営むショップまで。巣鴨地蔵通り商店街に新しい風を吹かす店3選

巣鴨の地蔵通り商店街は、町を代表するいわば「表巣鴨」。そんな場所にも、新感覚のショップやカフェができていた。おばあちゃんの原宿のど真ん中に、頼れる店が見つかりました。

photo: Kazufumi Shimoyashiki / text: Ryota Mukai

巣鴨地蔵通り商店街で見つけた、新感覚の3店

巣鴨のニューオープン4選」では、この1年ほどに巣鴨周辺に誕生した気になる店を紹介したが、どれも「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる巣鴨地蔵通り商店街からは少し離れた場所にあった。

今回は、テレビクルーも数多く訪れる、いわば巣鴨の中心部である巣鴨地蔵通り商店街で見つけた、新感覚の3店を紹介する。

〈humor〉

オリジナルアイテムもある古着屋とは?

巣鴨地蔵通り商店街の名の由来にもなった名所〈とげぬき地蔵尊高岩寺〉の向かいにある古着店。

巣鴨〈humor〉
店の左奥のラックにオリジナルアイテムが並ぶ。

アメリカものの古着がびっしり並ぶショップだが、なんだか様子がおかしい。というのも、レジ前では大きな布を広げて作業しているし、奥にはミシン台が鎮座しているのだ。店主の山本裕太郎さんに聞けば、古着をリメイクして、オリジナルアイテムを制作しているのだという。「スウェットやパンツを作っています。生地はスローラグという、アメリカの家庭でソファなどに掛かっている大きな布です。柔らかくて肌触りもいいんですよ」。

2016年にオープンし、独学で服作りを学んできたという。今ではこの一点ものを目掛けて訪れるお客さんも少なくないそう。実際3年前にオープンした下北沢店は、ほとんどのアイテムがオリジナルだ。古着屋の新たなスタイルが巣鴨で芽生えていたとは!

〈福代牛乳店/rnnn〉

表巣鴨の新しい顔役が出迎えてくれるカフェバー兼ショップ

商店街に入ってすぐのビル2階には、この4月にオープンしたばかりの喫茶店兼ショップが。福代匡平さんのカフェバー〈福代牛乳店〉と、三上智弘さんが営む革小物やヴィンテージアイテムの店〈rnnn〉が同居しているのだ。

カフェバー〈福代牛乳店〉さん、〈rnnn〉三上智弘さん
キッチンに立つ福代さん(写真右)と、カウンターに座る三上さん。

2人とも巣鴨で店を持つのはここが初めてだったが、すでにいろんなスポットを知っていた。のみならず、独自に界隈のショップを巻き込んだスタンプラリーも始めていた。「オープンしてから近隣のショップをたくさん回ったんです。僕らと同じく新しいお店も少なくないし、一緒に盛り上げていけたらと思って」と三上さん。巣鴨の新しい店のハブのような存在になっているのだ。

元々、三上さんは革小物を扱うショップで働いていて、福代さんはその店のお客さんだったとのこと。それぞれが自身のお店を持ちたいと思ったタイミングが重なったこともあり、共同でスタートすることに。〈福代牛乳店〉ではカフェタイムにはコーヒーやケーキを、18時以降のバータイムにはお酒はもちろん生春巻きなどのアテも楽しめる。〈rnnn〉にはオールデンやジョン・ロブなどクラシックな革靴から、浅草のハンドメイドレザーブランド〈ボーデッサン〉の小物などが並ぶ。

〈えがお洋品店〉

「おばあちゃんの原宿」のネクストレベル

脇道にだって魅力的なスポットは眠っている。「洋品店」という古風なネーミングとは裏腹に、モダンな作りのショップ〈えがお洋品店〉を発見。

ラインナップは半月に1度ほどのペースで入れ替わっていくというから、訪れるたびに発見があるはず。

「シニア世代のためのセレクトショップです」とスタッフのジョニーさん。とはいえ、神戸の帽子ブランド〈マチュアーハ〉のニット帽や、名古屋のブランド〈ローカリー〉の柔らかいストールなんかは思わず欲しくなる。「僕たちもそうですが、20代、30代とファッションを楽しんできた人たちが年を重ねても変わらず服を楽しめるような店になったらいいなと思っています」。

セレクトを手掛けるのはディレクターの関隼平さん。パリにあるという自身の店〈パークス〉では日本ブランドを数多く紹介。その経験もあって〈えがお洋品店〉にも各地のアイテムが揃っているのだ。東京ではあまりお目にかかれない、名古屋のブランド〈ダル〉のアイテムもここでなら。自分のためにはもちろん、親へのプレゼント探しにもうってつけだ。