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〈コム デ ギャルソン・オム プリュス〉のスラックス。E-WAXの妄想、将来ヴィンテージ

味がある古着を買うのもいいけれど、自分で価値を見出したものを、じっくりと時間をかけてヴィンテージに育てていくのもロマンがあっていい。作家やショップオーナー、デザイナーなど目利きが手に入れた現行品をネタに、20年後の姿を妄想してみた。

Illustration: Kazutaka Tsugaoka / Text: Toromatsu

“気づき”を与えてくれた
旧友からのプレゼント。

基本的には古着ばかり着ているんですけど、そんな僕でも〈コム デ ギャルソン〉の服ってちょっと特別なイメージで、いつの時代も憧れのものという認識でした。

今年、僕の誕生日に10代からの親友が〈コム デ ギャルソン・オム プリュス〉のパンツをプレゼントしてくれたんですよ。僕にとって初めてのギャルソンです。9分丈の今っぽいデザインのものだと時代の変化で穿けなくなりそうだけど、フルレングスでツータック。良い意味で普通のスラックスのようで、どんな古着にもハマる。さすがはずっと近くにいてくれた友人だなって思いました。

Comme des Garçons Homme Plusのスラックスのイラスト
Comme des Garçons Homme Plusのスラックス
フルレングスとツープリーツが特徴の2021 S/S新作パンツ。裾を開けるクロップドや、ノープリーツなど多くのスラックスが発売された今季の中でもかなりクラシックな一本。

何事も試してみなくてはわからないことを改めて気づかされました。彼が選んでくれてた時間を想像すると感慨深いし、長く穿いて、一緒に年を重ねていければいいな。自転車に頻繁に乗るからすぐにくたびれそうだけど、それもそれ。崩れたスーツでレッドカーペットを歩くスパイク・ジョーンズのようでかっこいいと思う。

彼はセレブだけど、やさぐれたオジサン感がある。このパンツも良いブランドなのに、古着っぽく見える。共通点があると思うんですよね(笑)。