2017年には〈ナイキ〉、2019年には〈アップル〉に作品提供を行ったことで話題を呼んだ現代アーティスト・SHUN SUDO。彼の絵画作品をジャンルの枠で括るのは難しい。インパクトのある色使いは一見するとポップアートやストリートグラフィティのようだが、繊細な筆致には水墨画のような要素も感じられるからだ。
古今東西の文化を取り入れたユニークな作風は、歌舞伎役者として幼少期を過ごし、10代から20代にかけて世界を放浪しながらアートを学んだという彼の経歴を聞けば納得だろう。
今回の個展は、2020年の10月にオープンしたホテル「東京エディション虎ノ門」のミーティングスタジオで開催。テーマはスペイン語で「庭」を意味する「パティオ(Patio)」だ。合計で15点揃う作品はどれも自然を表現したもので、日本の秋を連想するよう艶やかな色が使われている。
展示の内容について、SHUN SUDOは「ふと目に飛び込んでくる、なにげなく、かけがえのない 生命の躍動を描きたいと思った」と語る。
また、二つの布地をつなげるボタンのように、人と人の心もつなげたいという思いから描かれた“ボタンフラワー”など、彼の作品ではお馴染みのモチーフも随所に。込められたメッセージを想像しながら展示を楽しむのも良さそうだ。
躍動感と繊細さのバランスに息を呑み、そしてピースフルな気持ちにもなれるSHUN SUDOの作品。直接見ることができるこの機会をお見逃しなく。