しのだ家(東銀座)
醤油ではなく味噌でいただく、スパイスも香る卵かけご飯
「〆鯖と香味野菜の胡麻和え」に「薫製かまぼこ」。飲ん兵衛の心をくすぐる品書きで、界隈の客に支持される〈しのだ家〉。「卵かけごはん -カレー味-」は「タイ風カレー鍋」のカレーペーストを卵かけご飯に加えて提供したところ好評で、〆の定番になったそう。
炒めたタマネギにカレー粉と白味噌を加えたペースト状のルーを卵黄とともに雑穀米に絡めれば、未体験の濃厚さが漂う。味噌のコクとスパイスの辛味が生むリッチな味わいは、〆ではなく、酒の肴にもなり得るほど。おすすめは自家製の「こうひい焼酎」。深煎りコーヒーの風味がスパイスの香りを引き立ててくれる。
ラ・ファソン古賀(代々木上原)
どこまでも体思い、毎日食べたくなるフレンチカレー
40年以上フランス料理一筋、その伝統の味に磨きをかけ続けるオーナーシェフの古賀義英さんが行き着いたのは、体に良くて飽きのこない正統派フレンチ。そして「ソースがあることが前提」と語るフランス料理の、味の要である「だし」のおいしさを存分に味わってほしいと作ったのが、このソースキュリーだ。
和牛スネ肉とたっぷりの野菜をしっかり焼いて9時間ほど煮込めば、旨味と甘味が凝縮したクリアなだしができる。一切の油分を除きカレールー、スパイス、赤ワインを加えると、コクがあるのにサラサラ、甘味もあれば辛味もあり何度でも食べたくなる“最高のソース”が完成する。
ブンカ堂(京成立石)
酒場タウン・立石の和やか酒場で酒飲みのハートをつかむルーカレー
昔ながらの名店がひしめく街・立石に2018年に誕生した、新しいコの字酒場がこちら。街の“末っ子”キャラながら、愛されてスクスク人気店へと成長中だ。立石で生まれ育った店主の西村浩志さんが作るつまみは、さりげない中にも飲ん兵衛の心をくすぐるもの揃い。その中でネーミングまでもお見事なのが、この「カルー」。そのココロは「ルーだけだから」!
しっかり炒めたタマネギとニンジン、豚肉はどれもすっかり煮溶けているから、ルーをなめなめ酒をぐびり、という“ルー飲み”ができる。オレンジワインにしようか、あるいはにごり酒の燗酒もおすすめだ。
焼鳥やおや(池尻大橋)
カジュアル&活気アリ、
な焼き鳥酒場で愛されるチキンカレー。
最近はおまかせコースのみの焼き鳥店も多い中、アラカルトで自由にオーダーできるうえ、ひとひねりした一品料理やアルコールも大充実と、食いしん坊&飲ん兵衛思いの〈焼鳥やおや〉。焼き鳥店の〆といえば丼類がメジャーだけれど、カレー好きな店主・遊津拓人さんは「スパイスの存在感を感じさせつつも辛すぎない、みんなが食べられるカレーを」とレシピを考案。
リンゴやヨーグルトを加えてアレンジしたペーストに鶏肉を漬ける、仕上げにはバターとゴマ油でテンパリングしたスパイスを加えるといった工夫を施す。まろやかな中にもトマトの酸味が爽やかなルーは、自然派ワインとよく合う。