世界5カ国サ飯巡り
サウナでたっぷり汗を流したら、次はやっぱりサウナ飯(サ飯)。体内からミネラルが流出したからこそ、お腹も空くし、塩気の効いた料理が食べたくなるもの。
オランダ、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、エストニアと巡ってきた海外サウナ旅。その中でもサウナ後に訪れた思い出深いサ飯体験をベスト6形式で振り返える。
後編は第3位から第1位までを公開。栄えある第1位はどこの国のサ飯なのか!?
第3位:地産地消のトップシェフが作る高級サ飯
フィンランドにあるセルラキウス美術館の中に特注サウナがあるのは本誌でも紹介した通りだが、お腹が空いたら館内に併設のレストラン「GOSTA(イェスタ)」がある。
フィンランド料理を国際的に紹介しているシェフのヘンリー・ティッカネンが織りなす渾身の料理は、地産地消を重視したオリジナリティ溢れるもの。アートや周囲の自然、季節の味覚からインスピレーションを得た3〜4品のコース料理を中心に、ベジタリアンやビーガンのメニューまで用意されている。
サウナ後に食べるものといえば、カレーやラーメンなど塩気の多いものがほとんど。日本ではサ飯にコース料理というのは一般的ではない。だが、サウナ後に舌の感覚が覚醒し、繊細な味がわかるということを今回発見した。
フィンランドといえばサーモン料理。新鮮なサーモンはナイフがスッと入り、滑らかで濃厚な味わいに驚き。皿の下にひかれた紙製テーブルマットは、セルラキウス美術館の創設者であるグスタフ・アドルフ・セルラキウスの旅券など、旅の思い出を集めてデザインされている。
第2位:クイックなサ飯でフィンランド料理を堪能!
フィンランドサウナーたちが大絶賛するタンペレ市にある歴史的な公衆サウナ〈ラヤポルティサウナ〉にはカフェが併設されている。もちろんそこでサ飯を楽しむのもいいだろうが、歩いて3分のところに84kenの友人がオススメしてくれたレストラン〈Pispalan Pulteri〉があるという。それならばそこに行ってみようと夜道を歩く。
3分ほど歩くと、真っ暗な夜道に明かりが見えてきた。ここは1968年創業の老舗レストランで、店内はウェスタン調のバーのような雰囲気。おすすめの「スーパーステーキ」をメインに何品かオーダーし、出てきたものを頬張ると……究極に美味い!!
フィンランド語で「ロヒケイット」と呼ばれる、国民食「サーモンスープ」は濃厚。パンにつければ、いくらでも食べられてしまう。
「スーパーステーキ」は牛肉でなく、国産雌豚のテンダーロインを使用。オーダー時に注文すれば、ステーキの大きさ、熟成度、ソース、スパイスバター、お好みのサイドディッシュを豊富なオプションから選ぶことができる。
〈ラヤポルティサウナ〉の強烈なサウナ体験後だったからだろうか……、あっという間に3人で食べ尽くし、追加オーダーしようとしたら、「もうオーダーストップよ」とあっさり告げられた。もっとたくさん注文しておくべきだったと後悔したのも後の祭り。もう一度〈ラヤポルティサウナ〉帰りに必ず食べに来たい、素晴らしいお店だった。
第1位:サクサク絶品のクリスピーダック
今回の旅行で一番美味しかった料理は満場一致でベルリンの〈Olivin Wellness Lounge Sauna〉(オリヴィン・ウェルネスラウンジサウナ)のあとに立ち寄った〈Asia Street Food/Shanghai Imbiss〉のランチだ!
海外旅行5日目。そろそろ日本の食事(アジア飯)が食べたくなっていたタイミングで立ち寄ったアジア料理店〈Asia Street Food〉。Googleマップで「なんとなく」調べて、施設から近いことから行ってみましたが、ここが大当たり。
絶品だったのが「crunchy duck」。鴨肉をカリカリに揚げたものに醤油ベースの甘ダレがかかっており、野菜とご飯がついてくるのだが、とんでもなく美味しかった……。値段が5.5ユーロ。超絶安い。
僕らはサウナ後で塩分を欲していたので、ワンタンスープからオーダーし、徐々にいろいろと頼んだのだが、ぜひこの流れで味わってほしい。〈Olivin Wellness Lounge Sauna〉に行ったら確実にまた寄りたい最高のコースだ。
分かったのはサ飯にぴったりなのは、やっぱりアジア料理だということ。塩分や脂質、糖分、すべてを補うパーフェクト飯はアジア飯以外には存在しないのだ。3人で今回の旅でどのレストランが一番美味しかったのかと話し合いましたが、まさかのB級ストリートグルメが満場一致で1位の栄冠に。海外サ旅に出かけたら、小まめにアジア料理屋を探してもらいたい。