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埼玉〈古着屋ロスター〉。極私的な少年の趣味部屋から、サッカー好きが集まる拠点地へ

かつて誰かが愛用したものは、きっと今、誰かが欲しているもの。バラして磨き、組み直した自転車、2000年前後のファッション、民家や公共空間からの掘り出し物にデザインもの、西洋の木彫まで。ヴィンテージだからこそのクセ強なセレクトショップ、集めました。

photo: Wataru Kitao / text: Minori Okajima

極私的な少年の趣味部屋から、サッカー好きが集まる拠点地へ

オーナーの一ノ瀬達仁さんは、2002 FIFAワールドカップを観て衝撃を受け、人生はサッカー1色に。当時8歳のことだった。以降ユニフォームや選手のグッズを買い集めるようになった。

「働いているフットサル場の窓に私物のユニフォームを飾っていたらお客さんから声をかけられることが増えて、いつの間にかお店という形に」。物置を改造した店内には90年代のイタリアチームや初期Jリーグのグッズなどが所狭しと並ぶ。床にはカードが敷き詰められ、ボードゲームも置かれている。まさに少年時代にタイムスリップしたようだ。

「お客さんの大半がサッカー好き。共通の趣味があるから会話も弾みます。店員と客という関係性ではなく友人のような感じで接せるんです」と一ノ瀬さん。店内に流れるVHSを観ながら思い出に耽(ふ)けり、おのおのの熱いサッカー話を展開させたくなるお店だ。

埼玉 古着屋ロスター埼玉 店内
店内は壁から床まですべてグッズが満載。
埼玉 古着屋ロスター埼玉 オーナーの一ノ瀬達仁
オーナー・一ノ瀬達仁さん