写真で見る、「理想の本棚2025」
WE LOVE BOOKS Vol.3
photo: Kenya Abe、Go Tanabe、Ayumi Yamamoto / text: Hikari Torisawa、Izumi Karashima、Masae Wako、Ku Ishikawa
書物と生きることを選んだ2人が建てた、本のための家
学芸プロデューサー・橋本麻里
ゲーム作家、文筆家・山本貴光
1年間で平均して2500冊もの本を手に入れる山本貴光さんと、その10分の1ほどに入荷を抑え、本が溢れることに抗っている橋本麻里さん。楽しみや仕事のため、日々を生きるために本を読む2人が暮らす〈森の図書館〉の竣工から丸6年。本のために生み出された空間で、日々高さを増す本の山に囲まれながら本と本棚の話を聞いた。
俯瞰して斜めに見る面白さを教えてくれた本たち
TVディレクター・藤井健太郎
白い床、白い天井、白い壁。四方に造り付けた白い棚は、規則的に区切られ、そこには書籍、漫画、DVDやCD、レコード、レアなフィギュアなどが整然と並ぶ。TVディレクター藤井健太郎さんの書斎兼リビングは、ポップで楽しく美しい。外界から遮断されたような空間でもあり、もしもゾンビが蔓延する世界になったなら、もしも地球が滅亡しそうになったなら、真っ先に駆け込み籠城したくなる部屋なのだ。
「好き」の軌跡を語る本棚と「好き」を更新していく本
漫画家・コナリミサト
壁一面の本棚がある仕事部屋に、ずっと憧れていた。『珈琲いかがでしょう』や『凪のお暇』で知られる漫画家のコナリミサトさんがそう話す。中古マンションをリノベーションした自宅兼アトリエに、引っ越してきたのは約1年前。仕事部屋の壁は気持ちが浮き立つピンク色だ。本棚は腕利きの大工による造り付け。愛するたくさんの本とともに、張り子やだるまや招き猫、粘土のオブジェやフィギュアも並んでいる。
工房に併設された本棚は、先人たちとの対話の場
陶工/〈倉敷青木窯〉・三宅康太
師は河井寛次郎の最後の内弟子である、森山雅夫さん。島根県大田市温泉津町〈森山窯〉での6年間の修業を経て、2024年に岡山県倉敷市で〈倉敷青木窯〉を開窯したのが三宅康太さんだ。まだ30歳の彼の作品には先人の仕事を自分なりに学んできた跡がよく見える。そしてその本棚は、現時点での彼の学びの集積と言えるものである。