エロの伝道師2人の初顔合わせ。
ファーストサマーウイカ
初めまして、ファーストサマーウイカと申します〜!
笑福亭鶴光
わあ初々しいね。わんばんこ、笑福亭鶴光でおま!
ウイカ
おま!生おま!ありがとうございます。やったー!
鶴光
なんか関西出身なんやって?
ウイカ
そうなんです。大阪の京橋という、大阪城のお膝元です。
鶴光
じゃあ“4文字”は平気?
ウイカ
平気です!けれども全力で言わないように(笑)。
鶴光
作家に「ウイカちゃんと対談やる」言うたら「怪談を?」。なんで2人で怪談やらないかんねや。
ウイカ
猥談ですよね。
鶴光
(嬉しそうに)おっ!僕のラジオでは「男と女の びんびん川柳」ってサラリーマン川柳のピンク版をやってるんや。
如意棒持って「もっこり90度!」って。(ピンクの棒を取り出し、カメラマンに)写真撮ってや!筋も付いてるんや。
ウイカ
裏筋ですか(笑)。
鶴光
しかも2代目。初代はミュージックソンのチャリティで9万4000円で落札された。
ウイカ
誰が買うてんねん!(笑)
鶴光
ほないこか。いつまで経っても終われへん(笑)。
ウイカ
タイトルコール行かせていただきましょうか。
鶴光
鶴光、ウイカが考える、あしたのラジオ!
パーソナリティの人柄は、“声”で全部見抜かれる。
鶴光
“あしたのラジオ”いうけど、ラジオに明日、あると思う?
ウイカ
(笑)。突然ですね。明日、あると思います。
鶴光
ラジオしか聴けない人っていっぱいおんのよ、世の中には。高級中華料理屋で思いっきり高いもん食ろうてるやつはラジオ聴かないよ。その裏で皿洗いしてるおばちゃんが聴いてくれんのよ。そういうもんなのよ、ラジオちゅうのは。
(元ニッポン放送社長の)亀渕昭信さんて恩人が教えてくれたけど、マイクの向こうに100万人いるような気持ちでしゃべるんですって。
ウイカ
私、ラジオを一人でやらせてもらってるんです。ブースの中にいても、100万人聴いてると思って一人一人に向けてしゃべるということですよね。
鶴光
そうや。でも怖いのがね、耳で聴くから、ええ人なんやろか、冷たい人間ちゃうか、スケベかな、変態かな、全部見抜かれてまうねん。
テレビは企画力があれば誰でも出れる。けどラジオはパーソナリティ!
ウイカ
人柄出ますよね。私もガンガン下ネタしゃべってるんですけど、「実はそんなスケベじゃないんじゃないか」って言われたことがあるんです。過激な体験をしてけえへんかったのがバレてるなって思いました。
鶴光
やろ。あと女性が考える下ネタと男が考える下ネタは違うねや。
男は単純やねん。する、せん。
ウイカ
出す、出さん。
鶴光
女の人はね、余韻がずっと続くらしいわ。男は「アッ!ガクン」やろ?女の人の不感症はね、それでも男の6倍感じんねんて。
ウイカ
贅沢ですねえ。よかったです、女に生まれて。
鶴光
男は発射するだけ。あとの虚しさ。自分で拭いてるときの情けなさ。ティッシュが間に挟まって、それをツバで……(机を叩いて)なんでそんなこと言わなあかんねや!
ウイカ
いうか、まだ下ネタしかしゃべってないですけど(笑)。
鶴光
“あしたのラジオ”についてしゃべるつもりやったのに(笑)。
1万通のハガキをさばいた、伝説の『ANN』。
ウイカ
明日がなくなりますよ(笑)。
師匠は私が生まれるはるか前、1974年から『ANN』を第一線でやってらっしゃいますけど。
鶴光
その頃の『ANN』って4時間よ?のちに2時間制になったけど、土曜日だけは深夜1時から5時までやってた。起きたら明るくて、6時の新幹線でドーッと大阪に帰って営業に行かされんねや。
ウイカ
うわ、何歳のときですか?
鶴光
18とか30くらいやね。辛いのが、(寄席に)落語しに行くやんか。頭の方は笑ってくれんねんけど、噺に入ったらザワザワ。
“鶴光の落語”を聴きに来てるわけじゃなくて、“鶴光”を観に来てるわけ。そのギャップは本職としては辛かったね。ウイカちゃんは本職は何やの?
ウイカ
私、本職がなくてですね。タレントと役者と音楽もやってます。出身は関西の小劇場の役者で、そのあとアイドルをやったりして。
鶴光
枕営業なんかなかったわけ?
ウイカ
ないんですよ。そもそも枕営業のかけ方がわかりません(笑)。
師匠はラジオ始めたときからこういうストレートな下ネタしゃべってはったんですか?
鶴光
それがな、忘れもせえへん、『ANN』に最初に出たのは、(フォークデュオの)あのねのねの代演やったんや。ディレクターに「君は3カ月後でクビだから」と言われてガクッときて、もう普通にしゃべってたの。
そしたらさっきも言うた亀渕さんが「君のDJはセックスアピールが足らん」と。意味わからん。セックスをアピールすることなのかな?と。
ウイカ
アハハハ!
鶴光
それで下ネタや。どうせ3カ月で終わんねやから、大阪から来た噺家がめちゃくちゃしよった、ちゅうのを残したろうと。それがずーっと11年9カ月も続いたんや。
ウイカ
すごっ!
鶴光
ハガキが1日1万通よ。毎日やで。郵便局は儲かったやろなあ。
ウイカ
ホンマですね(笑)。
鶴光
でも9000枚は捨ててしまうねや、読めんから。
ダーッと捨てて残った1000枚を朝からプロデューサーとディレクターとアルバイトで仕分けして100枚にして、僕がその中から選ぶ。それで1年に1回ハガキ供養するねや。だって悪いやないの。
ウイカ
すごい時代ですねえ。
鶴光
ハガキちゅうのは誤字脱字があってね、これがええねや。今の子はみんな優等生や。メールに漢字をキチーッとわかりやすい文字で書いて。ハガキはその向こうに書いた人の生活があるというか。
ウイカ
この子、やたら丸文字書きはるな、かわいらしい人なんちゃうか、とか想像しますよね。
鶴光
メールは即効性があるやん。ポーンと出したらスッと返ってくる。でもハガキは1週間考える時間がある。ゆっくり考え込むからハガキ職人が生まれたわけ。
それが放送作家になったり、映画監督になったり、漫画家になったりして。
ウイカ
すごいなあ。
鶴光
いろんなゲストも来た。ジャッキー・チェンが来たんやで。
ウイカ
えっ!『ANN』に!?
鶴光
そうや。あとサモハン……。
ウイカ
サモハンチンポー?
鶴光
サモハンキンポーや!(笑)
あと僕の『ANN』聴いてDJになろうと思ったんは福山雅治くんやで。彼のやり方って下ネタやん。顔がええからかもしれんけど、やらしく聞こえない。
そういや、あんたも女鶴光って言われてるらしいやんか。
ウイカ
恐れ多くも(笑)。私は下ネタのことを“淫テリジェンス”って呼んでいて。
例えばキリスト教だと天使が迎えに“来る”じゃないですか。だから(女性が絶頂に達するとき)「I'm coming(来る)」っていうのかな。日本は極楽浄土へ“行く”から「イク」なのかなとか。
鶴光
下ネタの文化って古いのよ。昔の江戸小噺には必ず出てくる。
例えばある小噺で、夜にお母さんが隣の部屋で「死ぬ〜、死ぬ〜」言うてるから子供が「病院行ったら?」と声かけた。そしたら「イク〜!」って。