週末の酒がうまい、BRUTUSの聞くレシピ Vol.47「チキンパエリアと赤ワイン」

最近、周りに料理上手な友達が増えてきた。どこの料理人から教わったのか、ちょっとしたひと手間で、ゲストを喜ばせたりして、なんだか羨ましい。自慢の一品をサラッと作れるスキルがあれば、週末の酒はもっとおいしくなるはずだ。気負わず簡単に作れる、とっておきのレシピを教えてくれるのは、料理家で〈and recipe〉主宰の山田英季さん。さて、今回のメニューは……


前回の「焼きビーフンとハブ酒ハイボール」も読む。

photo & text & recipe: Hidesue Yamada

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最近、冬が嘘みたいに日中が暖かい、と油断していた僕に降り注ぐ花粉。忘れていたわけじゃないのに、今年は到来が早すぎた。グシュグシュの鼻にテンションなんて上がるはずもなく、日々窓辺に立ち、外の太陽に憧れる日々である。

そんなときこそ、家を楽しむために料理を作るのだ。それなら、お日様みたいに元気な国の料理がいい、そうそれは「パエリア」だ。

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まずは、ジャンジャン切り物を終わらせる。鶏もも肉は、大きめのひとくち大に切る。小さすぎると、炊いている間に、肉汁が抜けすぎてよろしくない。

次はパプリカをひとくち大に切るのだが、皮をむいてから切る。口当たりもよくなるし、甘みを感じやすくなるからだ。

玉ねぎとにんにくは、みじん切りにする。それから、ブラックオリーブを木ベラでつぶす。そして、トマトをすりおろす。トマトの缶詰でもいいのだが、香りはこちらの方が断然いい。

これで準備は終わりである。

フライパンで少量のオリーブオイルを温めて、そこへ鶏肉を皮を下にして並べる。しっかりと分量外の塩を振って下味をつけると、鶏肉を食べたときの美味しさが大いに変わる。忘れずに塩パラパラ、覚えておこう。

鶏肉の両面に焼き色がついたら、皿に取り出す。フライパンにオリーブオイルを足して、パプリカと玉ねぎを炒め、しんなりしてきたらパプリカだけ取り出しておく。そこへ、塩とにんにくを入れて、弱火で色づく程度に炒める。

塩の分量が多いのは、後でお米に吸わせるスープをこのまま作るからだ。

そうしたら、スモークパプリカパウダーを入れて、手早く混ぜる。さらにトマトを加えて、じっくり煮詰めていく。水を加える前に、ここで煮詰めるとうま味に凝縮感が出る。

煮詰まったところで、水、ローズマリー、サフランを加えてひと煮たちさせ、お米を振り入れる。

軽くお米の表面をならし、その上に取り出しておいた鶏肉、パプリカ、ブラックオリーブを並べる。そのまま強火で5分炊き、アルミホイルをかぶせて、中火と弱火の間にしてさらに12分炊く。

このときのコツは、火の当たるところが、フライパンの真ん中だけにならないように、時々、位置をずらすとムラなく火が入る。炊き上がったら、スプーンを持ち、全神経をスプーンの先に集中させ、フライパンの底を触り、おこげが付いていなかったら、強火でおこげを作る。

最後にイタリアンパセリのみじん切りを振れば出来上がり。テーブルの真ん中にパエリアをドンっと置いて、赤ワインをグラスに注いだら、花粉に負けない、春の休日が始まる。

外も良いけど、家も良い。最高じゃないか。

チキンパエリアと赤ワイン
料理とともにいただくのは、スペインの赤ワイン。軽やかな味わいが、華やかな香りのパエリアとマリアージュする。ほのかに甘みもあり、パプリカ、玉ねぎ、トマトといった野菜の甘みとの相性もいい。

チキンパエリアと赤ワイン

チキンパエリア

材料(2〜3人分)
・鶏もも肉……300g
・黄パプリカ……1/2個
・玉ねぎ……1/4個
・にんにく……1かけ
・ブラックオリーブ(種抜き)……10粒
・オリーブオイル……大さじ2と1/2
・塩……小さじ1/2
・スモークパプリカパウダー……小さじ1
・サフラン……ひとつまみ
・ローズマリー……1枝
・トマト……中玉1個
・水……330㎖
・米……100g
・イタリアンパセリ……適量

作り方
① 鶏もも肉は、大きめのひとくち大に切る。パプリカの皮をむいて、ひとくち大に切る。玉ねぎ、にんにくはみじん切りにする。ブラックオリーブを木べらでつぶす。トマトをすりおろす。
② フライパンでオリーブオイル(大さじ1/2)を温め、鶏もも肉を皮を下にして並べ、分量外の塩(小さじ1/2強)を振り、両面を焼いてから皿に取り出す。
③ ②のフライパンに残りのオリーブオイルを足して、パプリカと玉ねぎを炒め、しんなりしてきたらパプリカを取り出す。弱火にして、塩とにんにくを加えて、さらに炒める。
④ ③にスモークパプリカパウダーを加えて、手早く混ぜ、トマトを加えてじっくり煮詰める。
⑤ ④に水、ローズマリー、サフランを加えてひと煮たちさせ、米を振り入れ、鶏もも肉とパプリカ、ブラックオリーブを上にのせる。強火で5分炊いてから、蓋をするようにアルミホイルをかぶせ、中火と弱火の間で12分炊く。*時々、フライパンをズラして火の当たりを変える。
⑥ アルミホイルを取り、強火にしておこげを作り、イタリアンパセリを振る。

本日のおすすめ食材:マスコット《スモークパプリカ》
「普通のパプリカパウダーとは別次元の、スモーキーで香りの深い味わいがお気に入りです」(山田さん)

マスコット《スモークパプリカ》

料理初心者の担当編集より
「今回の驚きポイントは、トマトを加えてから一度煮詰めること。そのあと、すぐに水を加えるのになぜ!?山田さんの解説にあったように、よりうま味を感じられるようになるとか。料理は奥が深いです」

メスタ《オーガニック テンプラニーリョ》(赤)750ml
《メスタ テンプラニーリョ オーガニック》(赤)750ml
カスティーリャ・ラ・マンチャ州にあるワイナリー「ボデガス・フォンタナ」で造られるオーガニックワイン。テンプラニーリョ100%のスパイシーかつ軽やかな味わい。今回のパエリアのように、華やかな香りの料理を邪魔せずに、ともに楽しめる。アルコール度数13.5%、オープン価格。

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