世界の見方を広げる、誰かの経験が記された本を。狛江の古民家にブックカフェ〈坐坐奔奔〉が誕生

2025年11月に東京・狛江にオープン。落ち着いた雰囲気の古民家で本選びやコーヒーが楽しめるブックカフェ〈坐坐奔奔〉を訪問した。

photo: Koh Akazawa / text: BRUTUS

広々とした和室に、日が差し込む明るい縁側。この家は野口整体を創始した整体の第一人者、野口晴哉の邸宅として1958年に建てられたもの。整体を人間のすべての営みとつながるものとして捉え、本も多く執筆した野口の思想を受け継ぎ開業した。

店主の長本かな海さんは「自分が書店を開くことになるとは思わなかった」と話すが、新刊書のセレクトは文化人類学から、デザイン、アート、紀行文などほかにないラインナップ。大学ではインドネシアの憑依芸能を研究していたという長本さんの嗜好が強く反映されている。

民族誌などを扱う新刊が多く並ぶ。

「理論や批評よりも、誰かの経験が記されていることが共通点だと思います。知らない世界に触れられる本がたくさんあるということをもっと伝えていきたいです」

開業間もなく、狛江市の広報メディアから取材を受けた。かつて狛江市には書店がゼロになった時期があり、〈坐坐奔奔〉はその後に生まれた2軒目の新刊書店なのだ。

「ふらっと立ち寄ってお茶するだけでもいいし、いろんな方がのんびりできる店になれば。今後は自分の興味に関連してイベントもしっかりやっていきたいです」

坐坐奔奔の本棚
新刊書の棚の前に佇む長本さん。写真やデザインが美しい本が多いのも特長。

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