ナチュラルワインやフルーツカクテル、ノンアルスピリッツも楽しめる。心が落ち着く京都のバー6選

喫茶店と並んでバーも多い京都。近年は夜を待たずに開店する店も増え、さらに身近な存在に。一杯のお酒をゆったりと味わう行為は、内面を整えることにもつながる。ぜひ、今の自分にぴったりの一軒を見つけてほしい。

photo: Yosuke Tanaka, Shoko Hara / text: Shiho Yoshida

うえと salon&bar(東山)

京都らしい静謐(せいひつ)な空間で、和ハーブのカクテルを

設計は店主の上田太一郎さんが独立前に籍を置いていたバー〈柳野〉も手がけた木島徹。バックバーの代わりに季節の花を飾った茶室のような設(しつら)えに背筋が伸びるも、軽妙なトークを交えた接客と京都らしい一杯に緊張もほどけていく。

そして〈うえと〉といえば頭に浮かぶのが、上田さんが某京料理屋で着想を得たという山椒のシグネチャーカクテル。清涼な香りの輪郭が際立つドライなテイストで、気分をリフレッシュしてくれる。〈京都市京セラ美術館〉へもすぐの立地にありオープンはバーとしては珍しい14時。

「お酒を飲めない人も同じ空間で過ごせるように」との気遣いからコーヒーも用意する。昼と夜の隙間を緩やかにつないでくれる、心落ち着く場所だ。

bar ユリイカ(五条)

店の扉を探すところから始まるバータイム

2025年3月にオープン。古代ギリシャ語で「見つけた!」を意味する〈ユリイカ〉。マンション奥という立地も店名にちなんだ演出の一つで、「うちでは色んな種類の“発見”を楽しんでほしい」と店主の加藤夕貴さん。

兵庫の〈Bar芦屋日記〉と数多くのバーテンダーを輩出してきた京都の名門〈Bar K6〉を経て独立を果たした加藤さんが提案するカクテルは、人柄もよく知る小規模生産者から届けられる稀少な国産リキュールを使ったスタンダード。

ジャパンメイドらしい繊細な味を表現した一杯で、従来のリキュールのイメージを塗り替えてくれる。ハイボールなども取り揃え、カジュアル使いも歓迎。一日の締めくくりに訪れる、一人客の姿も少なくない。

SOMEWHERE(神宮丸太町)

マンションの一室にあるプライベートバー

2024年、左京区から苑内に豊かな森が広がる京都御苑のそばへ。アペロにも使える16時オープン。オーセンティックバーのようなシェイカーを使うカクテルはないが、スパイスを漬け込んだジンをベースにしたジントニックからナチュラルワイン、各種蒸留酒まで吟味された一杯を味わえる。

屋号が示す「日常とは違うどこか」。マンションの一室をリノベした空間には、少し毒っ気のある置物とともに店主の田村弾さんの私物コレクションも飾られ、バーというよりも限定8名のプライベートルームに招かれているような感覚に。南に開かれた大窓から望むマジックアワーの街角をぼんやり眺めながら、ひとり、夜の訪れを待つ過ごし方も最高に贅沢だ。

éperon(三条)

昼下がりをゆるりと彩るナチュラルワイン

バーというよりも、月日を重ねた喫茶店のような空気感。話題の店が集まる仁王門通で、ソムリエでもある店主・松浦優喜さんが一人営むワインバー。専門は出会いから15年以上、人生をかけて追い求めているフランスのナチュラルワインだ。

ナチュラルワインでも、ブドウの樹齢や土壌の質までも感じられるような銘柄をコレクション。店では膨大なストックの中から、旬を迎えた一本をグラス1杯から気軽に味わうことができる。

「一人一人の大切な時間に寄り添えるものを提供したい」とリストは置かず、提案はゲストとの対話を通じて。松浦さんの口から語られる栽培地や生産者の物語も興味深く、グラスを重ねるほど、ナチュラルワインの深淵に引き込まれる。

幾星 京都蒸溜室(清水五条)

飲む人も飲まない人も、平等に時が流れる場所

築140年の京町家に一歩足を踏み入れると、草木花(そうもくか)の香りに包まれる。薬草酒の魅力を届けてきた祇園のバー〈喫酒 幾星〉のオーナー兼店主、織田浩彰さんが手がけるノンアルコールスピリッツの蒸留室だ。

ラベンダーやキンモクセイなどの植物が持つ香りを凝縮し、良質な水に溶かし込んだもので、併設のバーではこれらを用いたカクテルを提供する。織田さんが「アルコールと同様に、時間を作る飲み物」と表現するように、濃縮された香りが飲み応えをもたらし、ノンアルでも一杯をゆっくりと味わう、紛れもないバー体験に。

2025年10月から客が自分で蒸留したスピリッツを味わえるプログラムもスタート。ノンアルコールの新しい地平を覗いてみては。

DANCE(二条)

帰ってきたくなる、オーセンティックな余韻

河原町でバーを営んでいた奥野恭平さんが、二条城に程近いエリアに店を移したのは2022年。「クラシックバレエや日本舞踊などジャンルごとにそれぞれの楽しみ方が存在する“ダンス”のように、お客様が思い思いに楽しめる場所にできれば」と語るように、オープン以来、河原町時代の常連や近所の人で賑わうオーセンティックなバーだ。

西京極のイチジクから時にはサツマイモ(!)まで、旬を取り入れるフルーツカクテルは、店主のひらめきを味わえる〈DANCE〉の定番。また、多彩なラインナップを揃えるウイスキー、特に個性豊かなボトラーズのおすすめを奥野さんに尋ねるのも楽しみ方の一つ。旅の途中に再訪したくなる、そんな居心地のよさがある。

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