街に増える小さな店で良い音楽と最高の一杯を。バンコクの小規模レコードバー3選

この数年でバンコク市内に増えたのが、小規模のレコードバー。オーナーやスタッフの個性が表れている、気持ちのいい3軒を訪れ、「レコード×カクテル」の最高の組み合わせを提案してもらった。選曲も店の雰囲気もそれぞれなのでホッピングもお勧めだ。

photo: Kohei Nishiyama / text & edit: Taichi Abe

ミュージシャンも訪れるセンス溢れる一軒

FREAKING OUT THE NEIGHBORHOOD(トンロー)

イギリスから移住して広告業を営むジェームズさんと、音楽フェス『マホ・ラソップ』のプロデューサーの一人であるキーさん夫婦が2022年に開店。その人脈と店の雰囲気から、ミュージシャン、アーティスト、音楽愛好家たちの憩いの場となっている。

バンコク〈フリーキングアウト・ザ・ネイバーフッド〉店内
ソイ(脇道)の先にひっそりと佇む、隠れ家のようなバー。レコードやオリジナルアイテムの販売も。

キュートでファンキーな魅力

バンコク〈フリーキングアウト・ザ・ネイバーフッド〉「Blood Orange」、「Rammana」Salin
「Blood Orange」✕「Rammana」Salin
「もともとはその名前の通り、ロンドンのバンド、ブラッド・オレンジをイメージしたこのカクテルなのですが、甘酸っぱくとても爽やかな味わいは、キュートなサリンが奏でるファンキーなドラムのビートに通じるイメージがあると思います」と語るジェームズさん。ジンベースの「Blood Orange」(390฿)を飲みながら、タイ出身で世界を舞台に活動するドラマーの繊細かつ大胆な音に耳を傾けたい。

日本のレコードバーにインスパイアされ開店

Modern-Day Culture(エカマイ)

長年DJとして活動していたナンシーさんが2022年にオープンした〈モダンデイ・カルチャー〉には、彼が所有する2,000枚以上ものレコードが並ぶ。

ジャンルはヒップホップ、R&B、ソウルなどが多い。日本好きのナンシーさんは、東京・下北沢で訪れた店にインスパイアされ、当時はバンコクにほとんどなかったレコードバーを始めることに。

バンコク〈モダンデイ・カルチャー〉店内
オーソドックスなバースタイルの店内だが、選曲とスタッフのキャラクターから緊張感はない。

南国でロマンティックな夜を

バンコク〈モダンデイ・カルチャー〉「BETWEEN THE SHEETS」、「Between The Sheets」The Isley Brothers
「BETWEEN THE SHEETS」✕「Between The Sheets」The Isley Brothers
アイズレー・ブラザーズのメロウなソウルクラシックの一曲と、そのイメージを基に作られた一杯。「ジンベースで、2層になっている下が熱いアールグレイティー、上は冷たい濃厚な生クリーム。2人が熱く抱き合っているようなロマンティックなカクテルです(笑)。この甘美な名曲に合ってるでしょ?」と語るのは、バーテンダーのトゥアイさん。カクテル「BETWEEN THE SHEETS」380฿。

カジュアルな雰囲気で来る人を選ばない

CLUB SALVA(エカマイ)

2025年1月にオープンしたレコードバーは、店内の雰囲気も選曲も誰もが入りやすいフレンドリーなイメージ。提供するドリンクの多くは“発酵”をテーマに作られ、バーカウンターの後ろには、フルーツを漬けた保存瓶が並ぶ。

Tシャツなどオリジナルアイテムとともにセレクトされた商品が並ぶショップも併設し、海外のDJを招くイベントも不定期で開催。

バンコク〈クラブ・サルバ〉店内
店のスタッフとも程よい距離感のバーカウンター。余裕のあるスペースも過ごしやすさのポイントに。

伝統と革新を表す組み合わせ

バンコク〈クラブ・サルバ〉「TOASTED IVORY」、「Superstar」Réjizz
「TOASTED IVORY」✕「Superstar」Réjizz
路上でよく売られている、竹に入ったココナッツ味のもち米のお菓子、カオラム。その味わいをカクテルとして再現し、タイの“懐かしさ”と“新しさ”を同時に感じられる一杯が「TOASTED IVORY」(420฿)。タイの伝統音楽モーラムで使用される楽器、ピンとケーンのサンプリング音からスタートしながら、疾走感のあるテンポでリリックが乗るタイヒップホップの一曲は、そのイメージにぴったり。
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