熟成させた紹興酒にも通じる飲み口が、食欲を呼ぶ。八丁堀〈MUDAN JIANG〉

中華で飲む日の正解は、もちろん何を食べたいかによって変わるもの。ワインと中華がもはや定番化する中、クラフトビールや中国茶割り、リキュール。さまざまな酒を提案する店が出てきている。飲み道楽のためのシン・中華酒場。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Koji Okano

エビワンタン×和製アマーロ

イタリア発祥の薬草酒、アマーロ。日本では神奈川・相模原〈伊勢屋酒造〉のスカーレットが評判で、新作の発売のたびに完売に。しかしイタリアにルーツを持つ和製アマーロが、なぜ中華料理店に?それは金岡永哲シェフが大の飲ん兵衛だからだ。

「僕と同じ酒好きの方々に通っていただけるお店にしたかったから」。千葉の中華料理店に生まれ、名門〈赤坂璃宮〉で7年修業に励み、姉が営む清澄白河〈酒と肴 otan〉を手伝った後に独立した金岡さん。2021年に現在の所在地に移転し屋号を〈MUDAN JIANG(ムーダン ジアン)〉としてからは、八王子のジンやスカーレットなどが加わり、さらに酒の品書きが充実。そのアマーロをエビワンタンとペアリングすると、熟成させた紹興酒に通じる苦味とコク深い甘味、爽やかさも感じられ、思わず箸が進む。

胡麻ダレエビワンタン、スカーレットソーダ割り
胡麻ダレエビワンタン930円。スカーレットソーダ割り990円。写真はエシカルアマーロという銘柄で、桑の葉やベルガモットなどのボタニカルを含む。ほかにオレンジアマーロなどもあり。またワインにも合うワンタンだ。

また姉の小料理店で働いた経験がある金岡さんの自由な発想に満ちた中華がグッド。旬魚を使い、たくあんなどを隠し味に忍ばせる春巻きは特に人気で、これを目当てに通う客も多いのだ。

ラム肉のピリ辛クミン炒め(パクチー)
ラム肉のピリ辛クミン炒め(パクチー)1,350円。ラム肉にクミンとニンニクで下味をつける際、腐乳と麹を投入。これで肉質が軟らかく、また下味もよく染み込むようになるとか。

茶割りを片手に、本格中華を立ち飲みで。自由が丘〈立呑み中華 起率礼〉

中国の酒は紹興酒だけにあらず! 黄酒の奥深き世界を楽しめる、江戸川橋〈中華 汀〉

ありそうでない、中華とクラフトビールのペアリング。代官山〈Choi.s〉

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