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Licaxxx、サーヤ、オカモトレイジのいつもの夜。約束しなくても会える、深夜の尊い時間

「今日行ける?」「行ける!」。当日のカジュアルなやりとりで渋谷に集合する23時。ちゃんとした待ち合わせもしていないのにいつの間にか仲間が合流して、夜は深くなっていく。そんなLicaxxxさんとサーヤさん、オカモトレイジさんの“いつもの夜”についていった。

photo: Kisshomaru Shimamura / text: Rio Hirai

約束しなくても会える、
深夜の尊い時間

23時、道玄坂の〈CARBON〉のカウンターで一人、麦焼酎のソーダ割りを飲むLicaxxxさん。程なくしてその場に現れたのは、ラランドのサーヤさんだ。同じく麦ソーダを頼んで「カンパイ!」し、待ちきれないという様子で最初の一杯に口を付ける。多忙かつ“酒好き”が共通点の2人が約束して会うのはだいたい当日の深夜。出会ったきっかけは共通の友人であるオカモトレイジさんの誕生日パーティだった。

「サーヤと会う時は、大体ご飯を食べに行って飲み始め、その流れでクラブに流れたりしています。初めて会った時も、いつの間にか友達が大勢集まっていたから、実はその日紹介してもらったことを忘れていて……」とLicaxxxさんが振り返る。「私は自分と同じくらいのペースで飲める人と出会えてすごく嬉しかったのに、Licaxxxは覚えていなかったのが後でわかりました(笑)。そのことは今後ずっとイジっていこうと思ってますけど」とサーヤさんが言い返す。

「そろそろ次に行こうか」と向かったのはクラブ〈翠月 − MITSUKI −〉だ。それまで音楽はヒップホップばかり聴いていたというサーヤさん。夜遊ぶようになり友達が増えるにつれて、触れる音楽の幅も広がっていったそう。そうこうしているうちに、オカモトレイジさんも合流。「昼間何をしているかとかあまり関係なく、夜はみんなフラットに遊べるのが楽しいですよね。僕にとっては、そっちの方が自然」というレイジさんのコメントの通り、この日は昼間同行していたヘアメイクの木暮智大さんも一緒に飲みにやってきた。

仕事の流れのまま、プライベートも共にするのがいつものことなのだそう。「私にとって、夜の遊び場は仕事でもあるしプライベートでもある。自分の出番がなくてもだいたい友達に会いに来ています。待ち合わせをしなくても、こうやって会える人たちがいるのって貴重なことですよね」とLicaxxxさん。仲間も合流したところで、次の店へ。

渋谷のんべい横
“渋谷のんべい横丁”を通過中。「このあたりでも飲んでみたいな」とサーヤさんの飲ん兵衛センサーが働く。

平日の深夜、人もまばらになった渋谷の街を歩く。道中、証明写真機を見つけて記念撮影をしてみたり、渋谷のんべい横丁に寄り道してみたり……。はしゃぎながら、この日の終着点〈不眠遊戯ライオン〉に辿り着いた。「普段は芸人仲間とも飲むし、自分が好きなヒップホップをやっている友人たちとも飲むし、そこに酒があればけっこうなんでも楽しめるタイプ。でも自分の限界はちゃんとわかっているので、“もうだめだ”と思ったらシレッと帰って、粗相はしません(笑)」とサーヤさん。

渋谷〈不眠遊戯ライオン〉のバーカウンターのライオン像
〈不眠遊戯ライオン〉のバーカウンターの中央に鎮座するのは、店のシンボルであるライオン像。これを眺めながら酒を飲む。

この夜も、(人よりも少しピッチ速めの)自分のペースで淡々と飲み続けた。それぞれのフィールドで活躍する3人、仕事の話からプライベートのとりとめもない話、社会の話まで話題は行ったり来たり。「忙しくても深夜なら急に集まれちゃう時がある。こうやって飲む時間があるから明日も頑張ろうって思えるんだよね」と3人が口を揃えた。「これを飲み終わったら帰ろう!」と決意表明しながらも、いつの間にか夜は更けていく。