あるテーマで撮り続けた作品をまとめたときに、写真家が意図するしないにかかわらず、その集合体の向こうに時代が立ち現れることがある。時代に愛された写真家たち。
Weegee(ウィージー)
警察無線を傍受して事件現場に一番乗り。
大きなフラッシュを浴びせるプレスカメラマン/愛機は4×5判のスピードグラフィック/ウィージャーボード(占い盤)で占ったのかと思うほど事件現場に早く現れたから「ウィージー」/スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情』ではスチル撮影のほか特殊撮影にも協力/プリント裏に「Weegee the famous」と押印。
Robert Frank(ロバート・フランク)
1950年代のホットなアメリカをクールに描いた旅する写真家。
パリ、ロンドン、アメリカ、ペルー、旅を重ね写真を残す/ローライ、ライカで初期のキャリアを築く/一枚の写真ではなく写真の集合で世界を表現/ビートの作家たちと映画を製作/元村和彦編集の写真集『THE LINES OF MY HAND』(1972年)をきっかけに写真に復帰/プライベートな写真を含めて構成する写真集の作り方が斬新。
Paul Fusco(ポール・フスコ)
葬送列車の車窓から60年代のアメリカを活写。
ロバート・F・ケネディの葬送列車から撮影した写真集『RFK』で注目を集める/マグナム所属/『LOOK』『LIFE』などの雑誌で活躍したフォト・ジャーナリスト/当時『LOOK』誌に掲載された『RFK』の写真は2枚だけ/葬送列車に持ち込んだカメラはライカ2台とニコンの一眼レフ/『RFK』で使用したフィルムはコダクローム。