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現代写真の礎を築いた名写真家。時代に愛された3名

写真家・大森克己、写真評論家・タカザワケンジ、そしてアート系ブックショップ、NADiffの書籍バイヤー・館野帆乃花。水先案内人としてはこれ以上望み得ない3人が、現代写真の礎を築いた名写真家21名をセレクト。彼らの代表的写真集とともに紹介。ホンモノの写真は時空を超えて、観る者の心を捉えて離さないのです。

Photo: Ayumi Yamamoto(portraits), Kaori Ouchi(books) / Illustration: Ken Hamaguchi / Text: Kenji Takazawa / Edit: Kaz Yuzawa

あるテーマで撮り続けた作品をまとめたときに、写真家が意図するしないにかかわらず、その集合体の向こうに時代が立ち現れることがある。時代に愛された写真家たち。

Weegee(ウィージー)

警察無線を傍受して事件現場に一番乗り。

大きなフラッシュを浴びせるプレスカメラマン/愛機は4×5判のスピードグラフィック/ウィージャーボード(占い盤)で占ったのかと思うほど事件現場に早く現れたから「ウィージー」/スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情』ではスチル撮影のほか特殊撮影にも協力/プリント裏に「Weegee the famous」と押印。

Robert Frank(ロバート・フランク)

1950年代のホットなアメリカをクールに描いた旅する写真家。

パリ、ロンドン、アメリカ、ペルー、旅を重ね写真を残す/ローライ、ライカで初期のキャリアを築く/一枚の写真ではなく写真の集合で世界を表現/ビートの作家たちと映画を製作/元村和彦編集の写真集『THE LINES OF MY HAND』(1972年)をきっかけに写真に復帰/プライベートな写真を含めて構成する写真集の作り方が斬新。

Paul Fusco(ポール・フスコ)

葬送列車の車窓から60年代のアメリカを活写。

ロバート・F・ケネディの葬送列車から撮影した写真集『RFK』で注目を集める/マグナム所属/『LOOK』『LIFE』などの雑誌で活躍したフォト・ジャーナリスト/当時『LOOK』誌に掲載された『RFK』の写真は2枚だけ/葬送列車に持ち込んだカメラはライカ2台とニコンの一眼レフ/『RFK』で使用したフィルムはコダクローム。