知らなかったら絶対に辿り着けない原宿の細~い路地にある小さな古い一軒家で、所狭しと吊されているアイテムたちは主に2000年前後のもの。ヴィンテージというにはいささか最近すぎると思う人も多いかもしれないが、ここ〈パットマーケット〉を営む、平均年齢23歳の彼らにとってそれらは立派なヴィンテージなのだ。
「今にはないものばかり。デザインで戦っていた時代を感じます」と店主の宮内悠斗(はると)さん。店には当時のスナップ誌『チューン』や『フルーツ』が置かれていて、例えば〈ナンバーナイン〉や〈アンダーカバー〉、クリス・ヴァン・アッシュ、エディ・スリマンが手がけていた頃の〈ディオール オム〉など、確かに尖ったデザインのアイテムばかりが見られる。
買い付けは主に国内。完全にブルーオーシャンなのかと思いきや既にプレミア価格になっているものも数多くあるらしく……。
〈ラフ シモンズ〉の当時のものは特に人気で、若い世代に伝えていると、先日まさかのデザイナー本人が来店(!)。2022年の1月からスタートしたにもかかわらず、彼らの審美眼は既に世界から注目を集めているということだ。ここがいかに時代を先取りしたヴィンテージ・ブティックであるかがわかるはず。