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その真髄は皮にあり。冬の王様を“皮目線”で選び抜く。「お取り寄せ:肉まん」〜後編〜

冬のマストアイテム、肉まん。皮を主役に、その名品を徹底調査。蒸したてをガブリとやれば、皮の弾力、餡との秀逸なバランスに身悶えする。肉まんの王道の魅力、ここにあり。「肉まんをお取り寄せ。冬の王様を“皮目線”で選び抜く!〜前編〜」も読む

Photo: Tetsuya Ito,Shin-ichi Yokoyama, Kenta Aminaka, Kanako Nakamura, Yoichiro Kikuchi / Styling: Chizu, Misa Nishizaki, Masami Kishi, Eri Kono / Text: Michiko Watanabe, Yukiko Daigo,Naoko Monzen, Chisa Nishimori, Ai Sakamoto, Kimiko Yamada, Chiho Osawa, Mime Kihara, Yoko Fujimori, Mutsumi Hidaka, Taeko Terao / Cooking: Namie Omi, Yuki Ishiguro, Yukie Shibusawa, Tomoko Sanada, Ayako Hirose, Chie Nakayama, Hirono Kanada, Mika Ninomiya, Maiko Tanaka, Akiko Ogoshi, Shirley Shum Shiho Tagashira, Ohyoi Mochizuki / Backdrops: STUDIO BASTILLE

パオズハウス014(福岡)
肉まん

研究熱心な家族経営の点心店が導き出した味。

・餡の主役は黒豚。丁寧な下処理で雑味をカット、タマネギと白ネギが甘さを添える。
・味つけは主に塩、砂糖、醤油のシンプルさ。澄んだ香味に同梱の辛子がアクセント。
・レンジでもふんわり感を保てるよう試行錯誤した皮は、老麺とイーストを独自に配合。

紅棉(神奈川)
肉まん

中華街の良心、老舗点心店のマントウの味。

・六十余年変わらぬ味を守り続る点心専門店。
・故郷・広東の伝統的技法で作る饅頭(マントウ)は、製餡から包みまで真摯に手作業。
・餡の心地よい食感はタケノコとシイタケ。
・ふっくふくの自家製皮と軽やかな味つけで、横浜中華街らしい大ぶりサイズもぺろり。

篠崎食品 カネキチヤ(福岡)
吟醸豚まん

ふっくらモチ肌。酒蔵育ちの色白美人。

・福岡の造り酒屋から誕生した無添加豚まん。
・生地は山田錦や美山錦など良質な酒造米から作る発酵力の強い吟醸酒母で発酵。
・噛めばうっとり、きめ細かな柔肌は吟醸酵母の賜物。小麦の奥に酒母の甘味がふわり。
・国産豚肉&地元野菜の薄味餡が実に合う。

にしぶん點心舗(神奈川)
羊肉まん

女性点心師が作る本場の味、マトンの肉まん。

・調理師学校で指導し、ケータリング活動も行う点心研究家が、オーダーメイドで製作。
・作るは本場の製法を再現した包子の数々。生地は当然、老麺を発酵させるところから。
・個性派は中国東北部の味、羊肉まん。トマト、セロリ、豆豉を使用、食通を唸らせる。

フル オン ザ ヒル(東京)
プチ肉まん

老舗の味はそのまま、プチサイズの名作。

・点心の名店〈目黒五十番〉で25年経験を積んだ主人が2011年、地元に開いた姉妹店。
・ビッグさが名物の本店に対し、直径約6㎝のミニ版を考案。皮薄く餡多めに進化!
・毎朝、厨房で粗挽きにした豚肉を粘りが出るまで練る。これが溢れる旨さの理由。

大同行(兵庫)
ブラック豚まん

黒い実力派、老麺とイカスミのハイブリッド。

・驚きの黒い皮はイカスミ入り。見た目重視と侮るなかれ、生地に老麺使用の本格派。
・宮崎豚をダイスカットし、粗めに刻んだキャベツとで歯応え&ジューシーさを演出。
・この特製餡がイカスミの旨味とマッチ。皮と餡のバランスを計算し尽くした力作。