脳と体をほぐす、“周波数マッサージ”。
モーリッツ・フォン・オズワルド・トリオの『ヴァーティカル・アセント』(2009年)が発表された時、DJのリカルド・ヴィラロボスがこの作品を“周波数によるマッサージ(原文はFrequency Massages)”と評したんです。脳と心に施術してくれる音楽。
医学にも正式にそういう療法があるみたいですが、一種の音楽ジャンルとして捉えているのが、すごくおもろいと思ったんです。細かく聴けば、複雑なリズムを多用しているんだけど、すごく心地よく響く。打楽器が交差する時に生まれる“揺らぎ”には、マッサージのような効果があるんじゃないかと思う。そんな基準でアルバムを少しずつ集め、その中から10枚選びました。
僕は飛行機などでの移動中、身動きの取れないシチュエーションで徹底的に向き合って聴いています。一般的なマッサージと同様、気持ちが良くて寝落ちしてしまっていることも(笑)。
周波数によるマッサージが、効いているってことでしょうね。