実家の犬が老衰でそろそろ天に召されそうで、気が気でない日々です。何年も共に過ごしてきたペットがいなくなる喪失感や悲しみと、家族ともども、今から向き合っていける自信がありません。急に亡くなってしまってもなんとか大丈夫でいるための心の準備というか、ペットロスと向き合うアドバイスをください。
(自営業/32歳/男)

箭内道彦
うちの飼い犬しじみは10歳。実家のゆずは保健所で命拾いした14歳。大事な家族です。いつか来るその日はいつまでも来ないでほしいと強く願います。英国のことわざがありますが、向き合える自信は僕にもないです。「子供が生まれたら犬を飼いなさい」「赤ん坊の時、良き守り手となるでしょう」「幼年期の時、良き遊び相手となるでしょう」「少年期の時、良き理解者となるでしょう」「子供が青年になった時、自らの死をもって子供に命の大切さを教えるでしょう」。あなたの家の犬は、あなたに出会えてとても幸せですよ。
エリイ
この間、いとこの犬が亡くなりました。皮膚病を患い、何をしても治らなかったのですが元気には過ごしていて、でも歳がやってきました。ある辺りから餌をあまり食べなくなって、叔父が口を開けてペースト状の食べ物を擦り込んでいました。亡くなる3日前にたまたまその犬とたったふたりきりになり、私が「なんて可愛いの」と耳や顎を撫でている間、私たちは白い光に包まれていました。その時は死ぬとは思わなかった。私の犬が死んだ時は、悲しみを乗り越えられず7つの星と名前を彫りました。タトゥを入れましょう。
大根 仁
19歳の頃、一人暮らしのアパートで猫を飼っていました。名前は「カマロ」、我ながら良いセンスです。飼い始めて1年経った頃、2ヵ月ほどNYに行くことになり、その間、友人にカマロを頼んだのですが、帰ってくると姿がありませんでした。友人いわく「3日くらいでいなくなっちゃったよ」。人懐こい性格だから孤独が耐えられなかったのかもなあ……と、申し訳ない気持ちでした。明くる日、近所の酒屋に行くとカウンターの上にカマロが丸まって座っていました。「ニャア」。酒屋の飼い猫になっているようでした。