箭内道彦
なるべく捨てるようにしています。罪悪感は要らないです。大切にとっておいた親御さんも、それがあなたの負担になると知れば、捨てられることに抵抗はないはずです。人は多くのものを捨て続けながら生きていきますよね。引っ越しはその好機。胸の中の懐かしい記憶だけであれば家賃もかかりません。10年以上前、樹木希林さんの自宅に伺った時、気持ちいいほどにモノが何もなくて驚きました。使わない、余計なものはいっさい要らないのよと、眉間に皺を寄せながら笑っていたのが印象的でした。素敵だなあと思いました。
エリイ
段ボールにまとめてくれて超ありがたい。労力が減りましたね。私ならそのまま捨てたいですが、広げたら懐かしくていくら時間があっても足りなさそうです。群馬でホルモン焼肉を食べながら今、隣に実家の整理をした友達が座ってるので聞いてみましょう。「モノに優先順位をつけて絶対これは捨てないっていうのは最初に仕分けしていって、それ以外は捨てる」。当たり前の事だけど、やるのは難しいですね~。「モノを置くのにはお金がかかってるから、そう思うと不要なものは捨てられる、スペースがあればとっておけば」
大根 仁
僕は19歳の時に1人暮らしを始めたのですが、その時に「自分に関する過去はすべて必要なし!」と、小中高の卒業アルバムや文集、写真などすべて捨ててしまいました。重度の若気の至り病を患っていたのでしょう。たまに取材などで、子供の頃の写真を求められることがありますが、全部捨ててしまったと言うと100%怪訝なリアクションです。後悔しているかと言われればそうでもないです。多分、自分に興味がないんだと思います。思い出の品って、自己存在の肯定なのかもしれないですね。答えになってなくてすいません。
岩手の自然と人の手で紡ぐ腕時計。匠の技を未来に継承する、〈グランドセイコー〉の新しい工房