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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:喜び方がわからない

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第136回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。
前回の「20代のドタキャン」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

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お店をやっているので、周年など何かしらお祝いしていただく機会があります。先日も49歳の誕生日を祝ってもらい、嬉しくはあるのですが、正直年だし、遠慮もあり、そっとしておいてほしいくらいで、素直に喜べません。わざわざごめんね、と謝るばかり。年にふさわしい素直な祝われ方や喜び方を教えてください。
(カフェ経営/49歳/女)

喜び方がわからない

箭内道彦

お祝いされそうなタイミングってなんとなくわかって、心が硬くなってしまったりしますよね。僕もそれが悩みでした。でも福山雅治さんに、お祝いに対してきちんとリアクションすることが大人の礼儀作法だとアドバイスされてから、考えを改め、喜んだり驚いたりする自分を演じてみるようになりました。素直に喜べないのは自然なことだけれど、お祝いというハレの機会では、自然体であることだけが正解ではありません。遠慮は怠慢。演じることが相手への気遣いや優しさにもなる。深く受け止めすぎないことです。

エリイ

贅沢!祝っていただけるうちが華なのに、一人ぼっちで誕生日を過ごす孤独老人や必死にお店の夢を叶えたのに誰一人として来てくれない人の気持ちと同化したことありますか?ないでしょう。本当に祝われたくない気持ちがあれば日にちを公表しないはずです。来てくれた方たちの記念日にお返ししたりしてプラスの気持ちをお互いに高めていく関係が人生の喜びに繋がります。私は小室哲哉さんと誕生日が同日で毎年お誕生日会を一緒にと誘っていただくのですが、すしざんまいに行ってしまって実現したことはありません。

大根 仁

わかります。僕は12月28日生まれなのですが、大抵その日は仕事納め。スタッフが大勢集まってちょっとした宴があるのですが、2時間くらい経つとパッと部屋の電気が消えて「監督!誕生日おめでとうございまーす!」からのハッピーバースデイ合唱からのケーキ登場。いわゆるサプライズというやつですが、これが心底気まずい。とはいえ、あなたも立派な大人です。大人とは場に応じたプレイができること。「マジか〜!みんなありがとう!」と思い切りロウソクの火を消して、ついでにくすぶった思いも消しましょう。

写真家・大辻隆広さん、子どもたち

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