ボトリングされた情熱が、
人を酔わせる。
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敬愛する〈アナトミカ〉創業者のピエール・フルニエと一緒に飲んだ、初めての一本がマルセル・ラピエールのモルゴン。「高いから良いってわけじゃない。造り手が情熱を持って造るものが良いんだ。服と一緒さ」と言われて。その一言で彼のセンスの真髄に触れた気がします。
後から知ったけど、食事をしたのは多くの生産者が集い、ヴァンナチュールの世界で有名な、パリ20区のビストロ〈ル・バラタン〉。そこにピエールが通っているように、こうしたワインを扱うところには変わった人が集まる。店主も客も、みんな職人肌で、何に対しても一家言あって、クセが強い。
日本でもそう。そんな人たちと話をするのが楽しくて、5人で集まって20本は空けてた。情熱がボトリングされているようなものだから、熱が伝播してつい長くなっちゃうのかもしれない。翌日は本当にひどい二日酔いなんだけどさ(笑)。
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