飲み続けて気がついた、
“枯れた”味わいの魅力
30代前半の約3年間を過ごしたニューヨークで出会ったのがラングロールのタヴェルロゼ。初めて飲んだ時は、正直ピンときませんでした。液体は透き通るくらいの薄色で、香りほのか、舌触りはさらさらしていて、後味はうっすら。それまで好んできた、果実のジューシーさやピチピチした泡なんて全く感じられず、困惑しました。
それでも飲んでいたのは、提供してくれるピザ屋〈Ops〉のサワードウピザとの相性が抜群だから。そして、おすすめしてくれた同僚で、ワイン通のカナダ人が「ナンバーズゲームだよ」と言うから。
つまり、“いいワインは何度も飲めば必ずわかるようになる”と。気がつけば、体に染み入るような“枯れた”味わいにハマってましたね。半年くらいかかったけど(笑)。今でも近所のワインショップで買って家で飲んでます。白菜鍋のような薄いだしの食事にもよく合うんです。