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〈KAPTAIN SUNSHINE〉デザイナー・児島晋輔が選ぶ一本。私の好きなナチュラルワイン

ここ10年で、ワインは難しいものから、一気に私たちに身近なお酒になりました。ナチュラルワインをカジュアルに楽しむワイン好きに聞いた、お気に入りの一本とは?

illustration: Hitoshi Kuroki / text: Maki Kakimoto

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古着やレコードと同じ感覚。モノ好きの人は要注意を

児島晋輔〈KAPTAIN SUNSHINE〉デザイナー

外で飲むのも、家飲みも好きなんですが、鎌倉の〈鈴木屋酒店〉や〈湘南ワインセラー〉で毎週仕入れて飲んでいます。最近は日本ワインにも開眼。「めちゃくちゃマニアックな酒屋がある」と教えてもらった長野県信濃町の〈萬屋酒店〉で買った、ヴォータノ・ワインがきっかけです。

薄味っていうそれまでの先入観を覆す、ガツンと重い味わいに魅了されました。それからは工場視察のために地方を回るたび、ワイナリーやローカルな酒屋をチェックしています。

「好きな人しか来なくていいよ」っていうスタンスの酒屋が多くて、昔からある頑固な古着屋とノリが近い(笑)。初めて入る時は、いまだに緊張しますね。一本一本ルーツがあるのは、古着を掘る感覚に似ているし、エチケットの印象と味が必ずしも一致しないところはレコードのようでもある。物が好きな人には、たまらない世界ですよね。

ヴォータノ・ワイン セバ・ロッソ
ヴォータノ・ワイン セバ・ロッソ/長野県塩尻市洗馬で坪田満博が2012年に醸造開始したワイナリー。「ミネラル豊富な土壌を求めて全国の地質を分析し、その場所に行き着いたそう。生産数が少なく、人気も高いので、今やなかなか買えないワインになってしまいました」

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