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建築家・長坂常が選ぶ一本。私の好きなナチュラルワイン

ここ10年で、ワインは難しいものから、一気に私たちに身近なお酒になりました。ナチュラルワインをカジュアルに楽しむワイン好きに聞いた、お気に入りの一本とは?

illustration: Hitoshi Kuroki / text: Maki Kakimoto

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馴染みない味わいを、縁のある造り手に学ぶ

長坂 常 (建築家)イラスト

まったくと言っていいほど馴染みがなかったこの世界を教えてくれたのは、ファットリア・アル・フィオーレの坂口礼奈さんでした。事務所の元スタッフで、のちにアメリカへ渡り勉強をしてワイン造りを始めたという話を聞いて。

初めこそ優しい味わいにびっくりもしましたが、造り込まれていない素材の味を感じられるのが面白いし、リリースごとに異なる味わいを楽しめるのがいいなと思えるようになって。旧知の仲だからこそ、メッセンジャーで「今は何がおすすめ?」って聞いて、僕好みのボトルを教えてもらえるのはかなり贅沢でありがたいですね。

返事が来れば即購入。だから大抵はウェブショップでオーダーしています。今やこれに限らず、いろんなボトルを試しています。神宮前にある〈ウィルトスワイン〉を覗いてみたり、近所のビストロでも、出張先のミラノでも楽しむほどになりました。

ファットリア・アル・フィオーレピアチェーレ
ファットリア・アル・フィオーレピアチェーレ/イタリアンのシェフ目黒浩敬が、2015年に宮城県川崎町で始めたワイナリー。スタート以来、毎年変わらず仕込んでいる微発泡のロゼ。「その年のブドウそのものの良さを生かしているから、味は時々で違うけれどどれもおいしいんです」。

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