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スタイリスト・伊藤まさこが選ぶ一本。私の好きなナチュラルワイン

ここ10年で、ワインは難しいものから、一気に私たちに身近なお酒になりました。ナチュラルワインをカジュアルに楽しむワイン好きに聞いた、お気に入りの一本とは?

illustration: Hitoshi Kuroki / text: Maki Kakimoto

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若い造り手の哲学を感じる
自由で洗練されたエチケット。

伊藤まさこ(スタイリスト)イラスト

以前、ほぼ毎日フランス料理を食べていた数年があって、その時にエチケットをもらってワイン日記をつけていたんです。でも、一つの醸造所でも年や輸送方法、ショップの保存によっても違う。手に負えないと勉強を諦めて、それからは肩の力を抜いて選んでます。

ナチュラルワインは若い造り手が多いので、エチケットが洗練されていますよね。25年前にブルゴーニュやシャンパーニュに行っていた頃には、こんなに自由に可愛くなるとは思っていませんでした。中でもお気に入りは、マルク・テンペの一本。

以前地方の酒屋さんに置いてあるのを見て「これ、好きなんです」と言ったらなんと、そこの女将さんは「(マルクに)会いに行っちゃった」なんて言うんです。そこまで人を惹きつける醸造所なのだなと印象に残っています。味わいも、いい意味でナチュラルっぽくないところが気に入っていますね。

マルク・テンペ ローズ・ソヴァージュ
マルク・テンペ ローズ・ソヴァージュ/フランス・アルザス南部の中心部でマルク・テンペが設立したワイナリーで造られた「野生のバラ」という名のワイン。「20年ほど前にこの人たちが造るものが好きだなと思い、ナチュラルワインを飲むきっかけになった一本です」

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