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アイドル・和田彩花の好きな器と、その付き合い方

個展に並んで手に入れた若手作家の器、旅先で一目惚れした骨董品、知人からもらった思い出深い一皿……器には、一つ一つに使い手のストーリーが詰め込まれています。カジュアルに楽しむ新世代の器好きアイドル・和田彩花が語る、とっておきの逸品と、その使い方。


初出:BRUTUS No.992「器の新時代。」(2023年9月1日発売)

photo: Jun Nakagawa / text: Kohei Hara

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誰かが使っていたものを自分で育て上げる楽しさ

フランスには“ヴィド・グルニエ(Vide-greniers)”という、家にある不用品を売るための催し物があるんです。フリーマーケットのようなもので、基本的に1〜5ユーロほどで買える日用品ばかり。気候が暖かくなってくるとほぼ毎週末、パリの至るところで開かれています。

私はいつも気になったお皿やパンプス、古着なんかを買っていますね。ある時出会ったこのお皿は、グレーと緑と青が混ざったような珍しい色味と絵柄に一目惚れして買ったもの。

「これいくら?」とお店の人に聞いてみたら話が弾んで「ほかの人には7ユーロで売ってるけど、特別に5ユーロでいいよ」と言ってくれたんです。「じゃあ買う!」って即決でした(笑)。

誰かが使っていた年季の入ったものを、きれいにして自分のものに育て上げる過程も好きなんです。この町で買ったお気に入りの器を日本に持って帰ってどう使おうか、想像が膨らんでいます。

パリの“ヴィド・グルニエ”で見つけた皿
パリの“ヴィド・グルニエ”で見つけた皿。
「屋根裏部屋を空っぽにする」という由来を持つヴィド・グルニエは個人が使わなくなったものを放出する催しなので、ガラクタもあれば、思わぬ名品に出会うことも。「絵画などの美術作品と違って気軽に買えるのがうれしい。色や形に加えて、どう使うかまで想像して選びました。自分の好みのお皿でご飯を食べると心が躍ります」

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