クラシックの
内なる「今」の声を聴く
コテコテのクラシックの名曲というよりは、現在の生活の中でお茶を片手に楽しめるような「普段使い」できる曲を選びました。特にこの3曲は、数分の中に、作曲家や演奏家の技巧が存分に入っていること。(バッハならば演奏が)特定の時代様式に寄りかからず、現代的な響きがすること。
音楽のジャンルの中で、クラシックにしかないレベルの、モチーフの反復や構造のクオリティがあることを条件に挙げています。1は、ピアノの伴奏が旋回するように和声づけされ、旋律も和声づけも巧みな美しい曲。
2は、1982年生まれの若手作曲家、ショウによるもの。楽器のアプローチに血が通っているので、繊細な表情の違いが楽しめます。
3も84年生まれの若手、オラフソンのピアノ。極めて正確な打鍵と、現代的な詩情を共存させた鮮烈なバッハの解釈。ダイナミクスの使い分けや、レガート、スタッカートの間にある無数の表情に注目して聴くのも楽しいです。
1. 「バイオリンとピアノのためのノクターン(夜想曲)」/リリ・ブーランジェ
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2. 「バレンシア」/キャロライン・ショウ
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3. 「前奏曲とフゲッタト長調 BWV902」/バッハ
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