作曲家と指揮者、演奏者
組み合わせの妙から生まれる極上の演奏
作曲家になってから、“同業者”でもある過去の作曲家たちが思い描いた色彩感を、指揮者たちがどんな解釈で表現するかという視点でオーケストラ音楽を聴くようになりました。魔法の杖と見間違うような指揮者の一振りで生まれる極上の演奏。その境地に限りなく近い3曲を選びました。
1はデュトワの真骨頂・フランスもの。色気、エスプリ、洒落っ気、ワルツのなまりが利いていて、ラヴェルの色彩パレットをサラリと使いこなす様子が圧巻です。“音楽”の中で紛れもなく一番好きな曲が2。色鮮やかさとストーリー性には、いつ聴いてもひっくり返るほどの感動と衝撃を覚えます。
3は、お上品なウィーン・フィルが、ゲルギエフに乗せられてここまで変貌したか!という驚きと喜びの一曲。解釈によって良し悪しが大きく変わるこの曲だからこそ、聴き比べも楽しいです。自分ならココはこんな表情にしたい、と指揮者目線で想像してみるのも面白いですね。
1. 「ラ・ヴァルス」/ラヴェル
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2. 「交響詩『ローマの松』」/オットリーノ・レスピーギ
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3. 「交響曲第4番へ短調 作品36」/チャイコフスキー
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