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落語家・柳家三三が選ぶ、クラシック音楽との出会いになった、チェロの3曲

星の数ほどあるクラシック曲は、聴き方も楽しみ方も人それぞれ。気持ちを落ち着かせてくれる曲から幽体離脱を促す曲まで?クラシック通27人が極めて個人的なテーマで選んだ3曲を一挙に公開します。

Text: Aiko Iijima, Konomi Sasaki, Saki Miyahara / Edit&Text: Emi Fukushima

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心の芯に響くのは
哀愁を誘うチェロの音色

僕は音楽的素養がまるでなし。楽譜は読めない、楽器の演奏もできない。昔はザ・ブルー・ハーツ、今はクロマニヨンズばかり聴いています。そんな僕がクラシックに出会ったのはラーメンズのコントを観ていた時でした。コントとコントの間に徳澤青弦さんがチェロの演奏をしていたのを、素敵だなと思ったのがきっかけ。クラシックとの出会いがチェロだったので、今でもその音色に心を震わせられます。

1は、逸話を含めて好きな曲。

2は、ゆったりとした序奏から、華やかに盛り上がっていきます。

3はチェロの哀愁を誘う雰囲気をたっぷりと表現しています。僕が一番好きなチェリスト、ピエール・フルニエの演奏です。派手さには欠けるかもしれませんが、品と芯がある響きが特徴。クラシックも落語も、誰かが作った作品を、他人であるプレーヤーが表現する芸術です。そんな共通点を考えると、演奏者の表現方法に目を見開かされるような発見をすることもあります。

1. 「無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV107」/バッハ

『無伴奏チェロ組曲(全曲)』
『無伴奏チェロ組曲(全曲)』演奏:パブロ・カザルス(チェロ)/スペインのチェロ奏者・カザルスが、少年の頃偶然出会ったバッハの楽譜を、年月をかけて完成させた楽曲。ワーナークラシックス/¥2,300(CD)。

2. 「チェロソナタ第1番へ長調 作品5-1」/ベートーヴェン

『ベートーヴェン:チェロソナタ全集』
『ベートーヴェン:チェロソナタ全集』演奏:ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)、スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ)/チェロとピアノの巨匠が壮年期に録音した名盤。デッカ/¥2,476(CD)。

3. 「チェロ協奏曲ロ短調 作品104」/ドヴォルザーク

『ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調』
『ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調』演奏:ピエール・フルニエ(チェロ)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/1962年のベルリンでの演奏を収録。ドイツ・グラモフォン/¥1,143(CD)。

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