クラシックを聴くと
美しい風景が次々と浮かんでくる
終戦直後の福岡県小倉市で、道に捨ててあった一枚のレコードを拾いました。当時の街は混沌としていて、道にいろんなものが落ちていたのです。家に持って帰って、聴いてみたら素晴らしい音楽で。それが1です。これが大好きで漫画家としてデビューするまで、毎日聴きながら漫画を描きました。
2は、映画館で観た思い出のバレエ音楽映画。幻想的でロマンティックでたまらない。
3は、友人の兄が、交響曲第1番から9番までのレコードをくれました。今でも大切にしています。その中でも9番が特に好きです。終戦後、毎日お腹をすかせている残酷な状況で、光を見出せたのは音楽があったからです。
関門海峡にかかる雲と波、北九州の山々、夜空には星が輝いている。その中で聴く音楽の素晴らしさ。情景と音楽がつながっています。漫画を描き、アニメを制作する際、その体験は随分と役に立ちました。私の夢と希望を支えてくれた音楽に、大変な恩を感じています。
1. 「ドナウ河のさざ波」/ヨシフ・イヴァノヴィッチ
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2. 「白鳥の湖」/チャイコフスキー
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3. 「交響曲第9番ニ短調 作品125」/ベートーヴェン
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