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漫画家・松本零士が選ぶ、夢と希望を支えてくれたクラシック3曲

星の数ほどあるクラシック曲は、聴き方も楽しみ方も人それぞれ。気持ちを落ち着かせてくれる曲から幽体離脱を促す曲まで?クラシック通27人が極めて個人的なテーマで選んだ3曲を一挙に公開します。

Text: Aiko Iijima, Konomi Sasaki, Saki Miyahara / Edit&Text: Emi Fukushima

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クラシックを聴くと
美しい風景が次々と浮かんでくる

終戦直後の福岡県小倉市で、道に捨ててあった一枚のレコードを拾いました。当時の街は混沌としていて、道にいろんなものが落ちていたのです。家に持って帰って、聴いてみたら素晴らしい音楽で。それが1です。これが大好きで漫画家としてデビューするまで、毎日聴きながら漫画を描きました。

2は、映画館で観た思い出のバレエ音楽映画。幻想的でロマンティックでたまらない。

3は、友人の兄が、交響曲第1番から9番までのレコードをくれました。今でも大切にしています。その中でも9番が特に好きです。終戦後、毎日お腹をすかせている残酷な状況で、光を見出せたのは音楽があったからです。

関門海峡にかかる雲と波、北九州の山々、夜空には星が輝いている。その中で聴く音楽の素晴らしさ。情景と音楽がつながっています。漫画を描き、アニメを制作する際、その体験は随分と役に立ちました。私の夢と希望を支えてくれた音楽に、大変な恩を感じています。

1. 「ドナウ河のさざ波」/ヨシフ・イヴァノヴィッチ

『ドナウ河のさざ波〜ワルツの夕べ』
『ドナウ河のさざ波〜ワルツの夕べ』演奏:ウィーン交響楽団/ルーマニアの作曲家・イヴァノヴィッチによるワルツ。哀愁漂う旋律で世界的に有名な一曲。フィリップス(デッカ)/¥1,143(CD)。

2. 「白鳥の湖」/チャイコフスキー

『チャイコフスキー:交響曲第4番、バレエ組曲《白鳥の湖》』
『チャイコフスキー:交響曲第4番、バレエ組曲《白鳥の湖》』指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン/演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ドイツ・グラモフォン/¥1,143(CD)。

3. 「交響曲第9番ニ短調 作品125」/ベートーヴェン

『ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》』
『ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》』指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン/歌:アンナ・トモワ=シントウ(ソプラノ)/演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ほか/ドイツ・グラモフォン/¥1,700(CD)。

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