坂東祐大が語る、ブレイク・ミルズ
ブレイク・ミルズがサウンドプロデュースした、アラバマ・シェイクス『Sound & Color』(2015年)は大好きな一枚です。それ以前のブルースやソウルなどを基軸としたサウンドも好きでしたが、ミルズはバンドのサウンドをより洗練させ、スタイリッシュかつ熱く響かせていました。
これのリリース前年、ミルズがシンガーソングライターとして発表した『Heigh Ho』(14年)も本当に素晴らしい作品。フォークやブルース、カントリーといったアメリカのルーツ音楽を、現代的なアプローチでアップデートさせていました。楽曲自体も本当に素晴らしかったのですが、それ以上にギタリストとしてのミルズが気になった作品です。美しくも摩訶不思議な音色のギターの演奏が、ポストプロダクション(レコーディング後に行われる音量や楽曲の編集)を見据えた絶妙なバランスで繰り広げられます。
YouTubeなどで演奏映像を観る限り、かなり複雑なエフェクターを縦横無尽に用いていることがわかる。ギターのエフェクトや奏法などに関しては、こちらは日本が誇るスーパーギタリスト岡田拓郎さんがウェブ記事にこれ以上ないほど詳細なレポートを書いているので、ご興味ある方はぜひご一読ください!
ミルズの最新作は、ディアンジェロやナイン・インチ・ネイルズらと共演する名ベーシストのピノ・パラディーノとの共同名義による『Notes With Attachments』。近年のミルズのプレースタイルを生かしつつ、サム・ゲンデル(Sax)やクリス・デイヴ(Dr)といった手だれの音楽家とのマジカルなセッションが素晴らしい。名門インパルス・レーベルからリリースされているのも胸熱です。11月に来日するらしいので、ぜひ生で聴きたいと思っています。