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東京・下高井戸〈mood_tokyo〉音楽の話ができる専門店へ

BGMがひとクセあったり、オーディオ機材が通好みだったり。店内で「これは……」と感じた点と点をたぐり寄せると、音楽好きの店主に出会えることってありませんか?古道具店、インテリアショップ、ギャラリー、骨董品店、フラワーショップ、古着屋と、全国各地の専門店を訪ねて、音と空間の在り方について伺いました。

Photo: Keisuke Fukamizu, Masanori Kaneshita / Text: Neo Iida

花は宇宙から来たエイリアン
音のバイブスを一輪に込める

花があると、途端にその場が華やぐ。そこに緩やかな音楽が流れ始め、おいしいクラフトビールが飲めたなら、もう何も言うことはない。下高井戸の〈HATOS OUTSIDE〉の週末は、内山拓郎さんが選ぶ花々に囲まれて、カラフルに幕を開ける。

内山さんは4年前、それまで働いていた花屋から独立。店舗を持たないスタイルで、アパレルショップや飲食店を中心に花を売るようになった。以前からDJとしても活動しており、自分の選んだ曲でフロアが踊る、その気持ち良い空間が好きだという。

だからジャズ、ソウル、ハウス、レゲエ、ダブ……、ジャンルを問わず、新しい音楽への探求を欠かさない。最近はビートに緩やかなメロディが乗る“バレアリック”が気になるそうで、Phil Misonの別名義Cantomaの『INTO THE DAYLIGHT』は、一人キャンプにも連れていく。

下高井戸〈HATOS OUTSIDE〉店内
カウンター内にある〈テクニクス〉のターンテーブルとミキサーは内山さんの私物。スタッフ全員でレコードを持ち寄り、担当は決めず好きな音楽を流している。

以前は朝までDJをしたあと、その勢いで市場に出かけていた。音楽の余韻をまとい、バイブスに忠実に花を選ぶ。するとその時々の精神状態や健康状態が反映され、都度違う立体的なセレクトが出来上がる。

「花は僕にとってエイリアンのような、一つの生命体。もちろんオーダーを受けて花束を作ることもありますが、一輪ずつに違う顔があるんですよ」。最近はパーティの開催もなくなってしまったが、仕入れの前には必ず音楽を聴く。空に向かって大胆にうねる花々は、内山さんの体を通じて翻訳された音の分身。空間に彩りと、音の気配を添える。

PLAYLIST

1:Rêveur / NATHALIE LETERTRE / 『RÊVEUR』
2:City Lights / MASANORI IKEDA / 「CITY LIGHTS」
3:Rude Movements / SUN PALACE / 『RAW MOVEMENTS | RUDE MOVEMENTS』
4:Mais Loucos / BOZO REWORK / 『TOO SLOW TO DISCO EDITS 05』
5:Spece For Us / CANTOMA / 『INTO THE DAYLIGHT』
6:Amaremai / PELLEGRINO, ZODYACO / 『MORPHÉ』
7:Jungle Jazz / AURA SAFARI / 『AURA SAFARI』
8:Never Was Love / SIRS / 『SIRS CUTS VOL 2』
9:Risin’ To The Top / KENI BURKE / 『CHANGES』
10:Hot Wax Soft Skin / FJORDFUNK, RAYE COLE / 『HOT WAX SOFT SKIN(FEAT. RAYE COLE)』
11:仮面をはずさないで / 坂本慎太郎 / 『幻とのつきあい方』
12:Summer Madness / KHRUANGBIN/ 『LATENIGHTTALES』
13:Dreaming Of Better Days / LARRY HEARD/ 『SOUNDTRACK FROM THE DUALITY DOUBLE-PLAY』
14:Tokyo / 井上陽水 / 『TOKYO』