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京都・京都市役所前〈大吉〉音楽の話ができる専門店へ

BGMがひとクセあったり、オーディオ機材が通好みだったり。店内で「これは……」と感じた点と点をたぐり寄せると、音楽好きの店主に出会えることってありませんか?古道具店、インテリアショップ、ギャラリー、骨董品店、フラワーショップ、古着屋と、全国各地の専門店を訪ねて、音と空間の在り方について伺いました。

Photo: Keisuke Fukamizu, Masanori Kaneshita / Text: Neo Iida

パンクな魂で温故知新を貫く、
寺町通の骨董品店

ずずいと細長い町家造りの店内に、弥生土器から大正時代の陶器やお猪口、花器までが並ぶ。“京都の骨董品店”と思うと、つい神妙な面持ちになりがちだが、The SmithsのTシャツにモヒカン頭の店主が優しく出迎えてくれるから、相好も崩れる。

2代目の杉本理さんは、その風貌の通りの音楽好き。最初の衝撃は、小学生のときに英会話教室の先生がくれたビートルズのカセットテープだった。中学時代はパンクやスカのバンドマンが店員をしていた〈DEPT STORE〉に通い、The Specialsや2Toneといったブリティッシュパンクの存在を知った。

高校から大学まではサンフランシスコに留学。ここでもパンクにのめり込んだが、あるレコードショップでの出会いが音楽の楽しみ方をぐんと広げたという。「ミルヴァレーにあった〈ヴィレッジミュージック〉のジョンさんがものすごく音楽に詳しい方で。ブルース、ジャズ、カントリー、なんでも教えてくれたんです」。

アメリカ音楽のルーツを辿り、さらに“服はスリフトショップで買う”という文化に触れて古さが持つ魅力を再認識した。実家から持ってきた蕎麦猪口の、色褪せない用の美にも気づいた。帰国後は実家の骨董品店を手伝い、音楽と同じように骨董の面白さにのめり込む。

京都〈大吉〉店内
その昔ジム・クウェスキン&ザ・ジャグ・バンドが来日したとき、店の前を歩くジムとジェフ・マルダーを発見!思わず声をかけ、音楽話や骨董話で盛り上がった。

店主となった今は買いやすく、心地よさが感じられる和洋の骨董を扱っている。音楽も、ノイズ系から民族音楽までなんでも聴く。骨董と音楽、その古きをたずねれば、新しき発見がある。

PLAYLIST

1:Every Day Will Be Like A Holiday / BYRON LEE & THE DRAGONAIRES / 「EVERY DAY WILL BE LIKE A HOLIDAY」
2:I Need You / THE BEATLES / 『HELP!』
3:Coconut Grove / THE LOVIN’ SPOONFUL / 『HUMS OF THE LOVIN’ SPOONFUL』
4:How Much More / GO-GO’S / 『BEAUTY AND THE BEAT』
5:Dark End Of The Street / PRINCE BUSTER / 「DARK END OF THE STREET」
6:Come Tomorrow / MANFRED MANN / 『THE FIVE FACES OF MANFRED MANN』
7:Cool Guitar Boy / HEAVENLY / 『HEAVENLY VS. SATAN』
8:Come Out And Meet Me Tonight / ART BLAKEY / 『ORGY IN RHYTHM VOLUME TWO』
9:Don’t Leave Me / SHIRLEY NAIR & THE SILVER STRINGS / 「DON’T LEAVE ME」
10:As Tears Go By / RITA CHAO / 「AS TEARS GO BY」
11:ノー・ノー・ボーイ / かまやつひろし・福沢エミ / 『ムッシュー~かまやつひろしの世界』