『おそうざい十二ヵ月』
「えのき茸のたらこあえ」とか、おいしそうですよね。
一人暮らしをしている頃、料理はけっこうこまめに作った。結婚してからもハウス・ハズバンドをしていた時期があった。そんな生活の中でずいぶん役に立ったのが、この暮しの手帖社の出した『おそうざい十二ヵ月』だ。「おそうざい」と断るだけあって、そんなに凝った料理はなく、わりに簡単に手に入る材料で、わりに簡単な調理用具で間に合うように書かれている。だから僕のような初心者=素人にはうってつけの本だった。
簡素な白黒の写真や、使われている用具、食器などがいかにも「昭和」という雰囲気を醸し出していて、今となってはちょっと古っぽいかなあという感もあるが、それでもいまだにときどき引っ張り出しては料理を作る参考にしている。
「えのき茸のたらこあえ」とか、おいしそうですよね。お酒が進みそうだ。「ポン酢のかわりにレモンをしぼってもいいものです」ということ。