『ボーン・トゥ・ラン ブルース・スプリングスティーン自伝』
彼の音楽と彼の書く文章とは文字通り表裏一体になっている。
ミュージシャンの書いた本を読むのは昔から大好きだけど、最近刊行されたこのブルース・スプリングスティーンの自伝には正直言って感服した。なにしろ文章がうまく、語り口が自然で、淀みなく読ませるのだ。そりゃまあ、あれだけしっかりした歌詞が書ける人なんだから、文章がうまいのは当然と言えば当然のことかもしれないが。
とはいえ、スプリングスティーンの音楽に関心のない人、思い入れのない人がこの本を手にとって面白く読めるかというと、そのへんは僕ももうひとつ確信が持てない。僕は個人的にスプリングスティーンの歌が好きだから、「ああ、面白いなあ」と思ってすらすら読んでしまっているけど、そうじゃない人はどうなのだろう?
でもとにかく彼の音楽と彼の書く文章とは文字通り表裏一体になっているし、お互いがお互いをサポートしている。それがまあ、ミュージシャンの書く本の素敵なところなんだけど。